2012 Fiscal Year Annual Research Report
Medicinal Application of Functional Machinery for non-coding RNAs
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
21115008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 猛 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (90240548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 文隆 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (40466199)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 非コードRNA / 核酸医薬 / ホスホロチオエートRNA / がん / DDS / ボラノホスフェートRNA / siRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度の研究において、和田は、前年度までに確立した手法を用い、立体が制御されたホスホロチオエート(PS)結合を含むPO/PSキメラsiRNAの固相合成を行った。立体が制御されたホスホロチオエート結合を1カ所および5カ所導入したガイド鎖のPO/PSキメラsiRNAを高収率かつ高立体選択的に合成することに成功した。一方、ホスホロチオエート誘導体に代わる次世代のRNA型核酸医薬として有望なボラノホスフェートRNA誘導体の立体選択的合成を検討した。二重鎖形成能が高く、免疫応答回避が可能な2’-OMe修飾ボラノホスフェートRNAの合成を行った。合成したオリゴマーと相補的な塩基配列を有する天然型RNAとの二重鎖形成能をTm測定により評価したところ、Sp体の二重鎖形成能が極めて高く、二重鎖形成能が高いRp体のホスホロチオエートRNAよりも高いTm値を示した。今後、非コードRNAの医薬応用に立体が制御されたボラノホスフェートRNAが活用されることが期待される。 竹下は、10種類の異なる位置にホスホロチオエート結合を1つ挿入した光学非活性のsiRNAのうち、安定性の高かった2種類について、和田が合成した光学活性体を用いて検討したところ、R体とS体で分解酵素に対する抵抗性に差がみられることが確認された。しかしRNAi効果には顕著な差はみられなかったことから、さらなる修飾が必要と判断し、PS結合5カ所導入siRNAによる検討を行った。5カ所導入siRNAは、導入カ所が5’末端側、3’末端側に関わらず、1カ所導入siRNAよりも安定性が著しく向上し、かつRNAi効果には影響しないことが示された。5カ所PS結合導入siRNAは、安定性向上により生体へ投与した場合の血中滞留時間を延長させるため、医薬応用に有用である可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、前年度までに確立された立体が制御されたホスホロチオエート結合を含むPO/PSキメラ型RNAの合成法を用い、立体が制御されたPS結合を1カ所から5カ所含む種々のガイド鎖siRNAの合成を達成した。合成したガイド鎖siRNAを用いる酵素耐性、RNAi効果を評価する実験も予定通り進行しており、次年度はさらなる研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、立体が制御されたホスホロチオエート結合を1カ所含むガイド鎖siRNAの合成と、酵素耐性評価、RNAi活性評価が行われたが、1ケ所の導入では大きな効果が得られなかったため、今後はPS結合の導入数を増やしたガイド鎖siRNAの合成を行い、それらの酵素耐性、RNAi効果を評価する。それらの結果より、ホスホロチオエート結合の導入数、導入位置、絶対立体配置がRNAi活性に及ぼす効果を明らかにし、優れたRNAi医薬の創製を目指す。
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