2009 Fiscal Year Annual Research Report
初期胚細胞コミュニティーにおける細胞外シグナルの解析
Project Area | Cell Community in early mammalian development |
Project/Area Number |
21116002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
目野 主税 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (20311764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 洋 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50212329)
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Keywords | 左右軸形成 / 原腸胚形成 / 細胞シグナル / リソソーム / ダウンレギュレーション |
Research Abstract |
マウス初期発生では、少数の細胞が発する細胞外シグナルによって胚全体の調和した発生が可能になっている。この細胞コミュニティーの実体解明のために、体軸形成及び原腸胚形成における細胞外シグナルの制御機構の解析に取り組んだ。 invは大多数の個体で内臓逆位が生じる劣性変異であるが、その左右軸逆転の機序は長らく不明であった。私たちは、inv/inv胚のノードでNodalアンタゴニストであるCer12発現の左右非対称性が逆転し、その結果、右側側板中胚葉でNodal発現が生じることを見出した。この側板中胚葉におけるNodal発現の左右逆転が内臓逆位を引き起こすことになる。Cer12発現の非対称性の逆転は、ノードにおけるNodal活性の左右逆転を生み出し、ノードから拡散するNodaが右側へ先に到達するため右側側板中胚葉のNodal発現を誘起すると考えられる。さらに、inv/invにおけるCer12発現の異常は、ノードのNodalシグナルに依存したものであり、左向きのノード流と異所発現するLeftuによって引き起こされる可能性が示唆された。 原腸陥入における細胞コミュニティーを明らかにするには、分泌因子の合成、拡散ルート、分解経路を明らかにする必要がある。そこで、初期発生胚での細胞内分解コンパートメントをリアルタイムで可視化するため、オルガネラ特異的プロトンポンプのGFP融合遺伝子をゲノム上にもつマウスを作成し、プロトンポンプの発現の高い細胞での観察に成功した。さらに、細胞内分解コンパートメントの構築に関わる遺伝子の欠失マウスを作出し、遺伝子機能の喪失が初期発生の異常をもたらすことを見いだした。
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Research Products
(7 results)