2011 Fiscal Year Annual Research Report
初期胚細胞コミュニティーにおける遺伝子と細胞の挙動の解析
Project Area | Cell Community in early mammalian development |
Project/Area Number |
21116005
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
藤森 俊彦 基礎生物学研究所, 初期発生研究部門, 教授 (80301274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 仁史 独立行政法人理化学研究所, 多能性幹細胞研究チーム, チームリーダー (80253730)
豊岡 やよい 基礎生物学研究所, 初期発生研究部門, 助教 (20360597)
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Keywords | 哺乳類 / 初期胚 / 発生 / 細胞 |
Research Abstract |
哺乳類初期胚における細胞・遺伝子の動態の解析、ES細胞を用いた分化制御機構の詳細な解析を進める。胚の中でそれぞれの細胞がどのように振る舞い、その際に分化形質がどのような分子メカニズムに基づいて決められるか、細胞コミュニティーとして胚が如何に形成されるかを明らかにする。 1、細胞の性質を決める因子群の挙動と機能の解析 着床前の細胞の分化形質の獲得に関与する複数の遺伝子(Cdx2,Gata6,PDGFR-α)に関して蛍光タンパク質でその転写量を可視化するトランスジェニックマウスにおいて、蛍光タンパク質と、内在性のタンパク質の挙動が一致しているかを確認した。遺伝子発現のライブイメージング観察を開始した。Essrb遺伝子に機能解析のため、Esrrb誘導欠損ES細胞を作製し、EsrrbがWntシグナル下で働く転写因子Tcf3の標的である事を同定した。EsrrbのES細胞におけるゲノム標的部位をクロマチン免疫沈降-大規模シーグエンス解析で同定した。 2、着床直後からの胚発生をin vitroで再現する培養法の確立 培養条件や、胚を細胞外基質などで封入するなどの培養条件を改善し、胚盤胞から体軸形成の時期までの培養に形態で判断する限り効率を上げた。 3、胚の細胞内小器官を蛍光標識するマウスの観察 細胞骨格系、オルガネラなどに特異的に局在する蛍光タンパク質をコードする遺伝子をRosa26遺伝子座へノックインしたマウスに関しては既に論文発表を行い、広く研究者コミュニティーに利用してもらえる状態に至った。 4、ウサギを用いた哺乳類初期発生の解析 マウスに比較して体軸形成時期の観察が容易になる可能性が高いウサギ胚の解析を継続する。前後軸形成の時期に関して、複数の遺伝子に関してin situハイブリダイゼーションによる発現解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題で目標としている哺乳類初期胚における細胞・遺伝子の動態の解析は、ほぼ当初の計画通り進んでいる。ES細胞を用いた初期胚を模した実験に関しても順調に進んでいる。胚の細胞内小器官を蛍光標識するマウスについては、既に論文発表を行い、広く研究者コミュニティーにオープンにし、利用してもらっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの計画に従い、本研究課題を遂行する。論文として成果発表に至っていない部分については、早急に進める。また、細胞、遺伝子発現の動態を明らかにするために新規のアプローチとして、表面抗原に対するモノクローナル抗体の作製とその利用を開始する。
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Research Products
(10 results)