2013 Fiscal Year Annual Research Report
初期胚細胞動態のインシリコ再構成技術と数理モデルの構築
Project Area | Cell Community in early mammalian development |
Project/Area Number |
21116006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 徹也 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90513359)
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Project Period (FY) |
2009-07-23 – 2014-03-31
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Keywords | バイオイメージング / 画像解析 / バイオイメージインフォマティクス / 初期発生 / 時空間動態 / 哺乳類 / 数理モデル |
Research Abstract |
これまでに構築した画像解析手法・手動補正GUIを用い、16~32細胞期までの細胞核位置のエラフリーデータを5つの胚について作成した。また、短いタイムインターバル(10min)を持つデータについても同手法を適用し、3胚の解析を行った。短いタイムインターバルのデータは16細胞期以降の画像解析エラーが大きいため、前年度から用いてきた15minインターバルの5胚についてさらなる解析を進めた。前年度に問題となった細胞増殖時のトラッキング問題に対し、時間前方向・逆方向でのトラッキングの整合性を用いる方法や、細胞分裂時の娘細胞の動きの傾向などを考慮する方法などを検討し、分裂時に娘細胞が対称な方向に移動しやすい情報を用いて対応付けを最適化問題として定式化することにより、高い精度でトラッキングができることを確認した。この手法を用いて、5胚についての完全なトラッキングデータを作成した。 この結果を用いて発生過程の細胞分裂系譜図を作成し、その系譜の上に細胞位置だけではなく他の様々なパラメータをマッピングするシステムも構築した。このシステムを用いて検討をした結果、核イメージの体積と表面積比で定義されるゆがみ度と細胞分裂のタイミングが強く相関しており、ゆがみ度を核同定やトラッキングにおける潜在的な誤りの検出に利用できることが分かった。 更に細胞増殖系の系譜解析のための数理モデル研究を進め、経路積分表示に基づく細胞動態の記述を活用することにより、増殖からくる影響と細胞状態の確率的遷移からくる影響とを定量的に評価する手法を構築した。前年度までに構築した細胞核位置を99%で同定するアルゴリズムについてはPlos Oneに論文を投稿し、細胞系譜の統計検定法についてはPlos Biologyに採択された。またフィードバック機構のゆらぎ解析手法や経路積分を用いた細胞増殖系の解析手法については論文投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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