2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Homeostatic inflammation: Molecular basis and dysregulation |
Project/Area Number |
21117003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
改正 恒康 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
|
Keywords | 樹状細胞 / Toll様受容体 / 免疫アジュバント / I型インターフェロン / 樹状細胞サブセット / 自然免疫 |
Research Abstract |
病原体センサーは、病原体成分ばかりでなく、内因性物質を認識し、種々の炎症反応を惹起させる。この炎症を本領域では、「自然炎症」と呼んでいる。Toll様受容体(TLR)の中のTLR3, TLR7, TLR9は、病原体ばかりでなく、宿主由来の核酸も認識し、I型インターフェロン(IFN),炎症性サイトカイン産生を誘導することにより、自然炎症を引き起こす。このTLR3/7/9は、樹状細胞サブセットによって異なる発現様式、応答様式を示す。TLR7/9シグナルは、形質細胞様樹状細胞(pDC)において、大量のI型IFN産生を誘導する。我々は、すでにこの産生誘導にセリンスレオニンキナーゼIKK_αが関与していることを明らかにしていた。PDC以外の樹状細胞、通常樹状細胞(cDC)は、TLR7/9刺激に対して、IFN-αは産生せず、IFN-βだけを産生するが、このcDCにおけるIFN-β産生誘導はpDCとは異なる分子機構で制御されている。今回、このTL、R7/9刺激cDCにおけるIFN-β産生誘導にも、IKK_αが必須であることを見出した。興味あることに、これまでpDCにおけるI型IFN産生に必須であるとされている機能分子IRAK-1, TRAF3, Osteopontinは、cDCにおけるI型IFN産生には必須ではなかった。このことから、IKK_αは、pDC, cDC両サブセットにおいてTLR7/9シグナルによるI型IFN産生を制御するユニークな分子であることが明らかとなった。しかし、IKK_α pDCと異なり、IRF-7の活性化ではなく、IRF-1,NF-κ_Bの活性化に関与していた。また、IKK_αは、IRF-1と結合し、IRF-1をリン酸化することも確認された。このように、IKK_αは、樹状細胞サブセット特異的な機構を介して、TLR7/9刺激によるI型IFN産生を制御していることが明らかになった。
|
Research Products
(20 results)