2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロな動的パターンの相互作用の数理的解明とその生命科学への展開
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
21120003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西浦 廉政 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (00131277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國府 寛司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50202057)
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Keywords | ヘテロ個体 / 衝突現象 / 大域分岐 / 特異点 / 反応拡散系 / 余次元 |
Research Abstract |
本年度の成果は以下の3点である。 成果1,自発的パルス生成機構の解明 不均一性に起因する自発的パルス生成の力学系的起源を考察した。外的影響がない状況下で空間方向にジャンプ型の不均一性が存在するとある条件下で自発的に進行パルス波が生成されるが、ジャンプの高さに応じてそのダイナミクス変化の分類を実施した。ジャンプ点付近で振動しながらパルスを発射するパルス生成は、往復振動の回数と続けてパルス発射するその回数の組み合わせにより無限通りの生成パターンが存在することが数値的に示唆された。その組織中心としては2重ホモクリニック軌道が候補として挙がった。 成果2.不均一媒質におけるスポットダイナミクス 不均一媒質での2次元スポットダイナミクスを数値的ならびに縮約理論を用いて解析した。とくにジャンプ型の不均一性の高さおよびそこへの衝突角度依存性を詳細に調べた。同時に縮約理論を用いて、有限次元系に帰着させることで解析的結果が得られ、数値的結果との整合性を調べた。 成果3.振動子ネットワークモデルによる同期の生成・崩壊と脳内システム間の相互作用 山口班との共同研究により、2つの問題に関する数理モデルが試作された。1つは西浦班手老氏と山口班の川崎氏らの研究による情報の振り分け問題であり、もう1つは西浦班上田氏と山口班の北城氏らによる、Dynamical Dot Quartetと呼ばれる錯視実験における見えの状態に関わる脳波の同期現象である。これらにおいては共に結合振動子系というネットワークモデルにおいて、定性的な記述が可能であることが判明した。とくに位相差および振動子クラスターの状態依存でクラスター間相互作用を決めるという仕組みが重要であることがわかりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
領域の他の計画班との共同研究も含め研究は順調に進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
脳内コミュニケーションに関する結合振動子モデルについて、山口班との協働研究を特に推進したい。 その他については特に問題はなく、このまま進めてゆきたい。
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Research Products
(6 results)