2012 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling and analysis of strong interactions among heterogenous localized patterns and its applications to biological problems
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
21120003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西浦 廉政 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (00131277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國府 寛司 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50202057)
上田 肇一 富山大学, 大学院理工学研究部, 准教授 (00378960)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自己組織化 / パターン形成 / 神経科学 / シグナル伝達 / 反応拡散系 / 大域分岐 / 衝突現象 / 特異点 |
Outline of Annual Research Achievements |
成果1.Hopf-zero 退化特異性の分岐解析 純虚数固有値と零固有値が複合する Hopf-zero 退化特異性からの分岐の解析を行い、これまで限定的な条件の下でしか示されていなかった Shilnikov 型 homoclinic 軌道の発生についての一般的な発生条件や分岐集合の形状についての結果を得た。また関連する不変多様体の指数的に微小な分裂に関する精密な数値計算結果といくつかの予想も与えた。これは成果2の結果と共に退化した特異点からの視点の重要性を示唆する。 成果2.自発的パルス生成機構の2重ホモクリニック軌道による解明 不均一性に起因する自発的パルス生成の力学系的起源を考察した。外的影響がない状況下で空間方向にジャンプ型の不均一性が存在するとある条件下で自発的に進行パルス波が生成されるが、これを駆動する数学的機構として、バタフライ型の2重ホモクリニック特異点がその組織中心であることが、西浦、矢留、寺本らの精緻な大域分岐追跡から示すことができ、SIADSに投稿した。この知見は自発パルス生成の制御にも役立つ。 成果3.振動子ネットワークモデルによる情報分離と脳内システム間の相互作用 これまでの山口班との共同研究により、2つの問題に関する数理モデルが提案、解析された。1つは西浦班から独立した公募班の手老、秋山氏と山口班の川崎氏らの研究による情報の振り分け問題であり、もう1つは西浦班上田氏と山口班の北城氏らによる、錯視実験における見えの状態に関わる脳波の同期現象である。これらは共に結合振動子系というネットワークモデルに依拠しているが、それぞれの現象を説明するのみならず、ネットワークダイナミクスにおける基本的問題、例えば、振動子クラスターのネットワーク構造が損傷を受けたときの自己修復機構の解明などの解明にも有効であることがわかってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
領域の他の研究班との共同研究との成果が明確に出て、論文の形にもなり、より詳細な論文も投稿できた。同時にそこからの数学的発展も見えてきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
脳内コミュニケーションのダイナミクスを振動子クラスター間相互作用モデルを用いて解明していきたい。またパルス自発生成機構が数学的に明確になってきたので、これをより広いモデル系に拡張し、応用したい。いずれも領域内の実験班とも共同しながら実施する予定である。
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Remarks |
http://researchmap.jp/ynishiura/
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Research Products
(4 results)