2010 Fiscal Year Annual Research Report
異なる入力情報の相互作用による自己組織化メカニズムの解明
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
21120006
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
相原 威 玉川大学, 工学部, 教授 (70192838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 裕 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (70323376)
藤井 聡 山形大学, 医学部, 教授 (80173384)
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Keywords | 情報統合 / 海馬 / STDP / 可塑性 / トップダウン |
Research Abstract |
脳内の情動や注意に関わるトップダウン情報は、個体間のコミュニケーションで重要な情報と直結しており、脳内モデルの自己組織化に与えるコミュニケーションの影響として捉えることができる。本研究では、ボトムアップとトップダウンというヘテロな系の相互作用ダイナミクスを実験と理論の両側面から明らかにすることで、コミュニケーションの脳内神経機構を探る糸口としていく研究を行っている。 平成22年度の具体的な実験として下記の2つを行った。 1 ラット海馬歯状回においてはモダリティーの異なる入力情報(匂いなどの非空間情報と場所に関する空間情報)の組み合わせが、組織化された回路構造を形成していることが近年報告されている。このことは海馬の入力部である歯状回で、ボトムアップ情報の相互作用が起こることを示唆している。このローカルなネットワークのダイナミックスを解析に際し、それぞれの入力部位の持つ周波数特性について調べ、それぞれの入力情報が異なる処理様式で行われている事を明らかにした。また、入力相互の影響を調べ、その非線形性の同定も行った。 2 昨年度に引き続き、海馬CA1野において、トップダウン入力としてのアセチルコリンが、ボトムアップ入力(CA3からの入力)の可塑性を促進させることをスパイクタイミング可塑性のプロトコルを用いて明らかにした。現在、論文をNeuroscience誌に投稿中である。
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Research Products
(18 results)