2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳内回路の引き込み協調による言語・非言語コミュニケーションの創発原理の解明
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
21120008
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水原 啓暁 Kyoto University, 情報学研究科, 講師 (30392137)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 敏郎 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30107015)
笹岡 貴史 京都大学, 情報学研究科, 助教 (60367456)
|
Keywords | 認知神経科学 / コミュニケーション / 言語理解 / 動作模倣 / 神経回路 / 脳機能イメージング / 身体性 / 社会脳 |
Research Abstract |
本研究課題では,他者の予測的模倣を実現する新たな脳機能ネットワークが,ミラーニューロンシステムを起点とした皮質間の振動子位相の引き込み協調により動的に創発することで言語・非言語コミュニケーションが実現されているものと考え,脳波とfMRIの同時計測技術等を用いることで,予測的模倣に関する脳内ネットワークの動的な形成過程を明らかにすることを目的としている.そこで下記に示す2つのテーマについて研究を実施した.「音声理解における皮質ネットワーク形成に関する研究」においては,プロソディ表現の予測がミラーニューロンシステムにより実現され,プロソディ表現のリズムの特定の位相位置において,左右半球において別々に表象されているシラブルとフォニームが統合されていると考え,脳波とfMRIの同時計測を実施する.平成21年度は,実験刺激を作成するために,刺激として用いる単語群の選定を行った.音声単語に雑音を重畳したときに,単語親密度により音声の認知率が変化することが報告されている.そこで本研究では,一定の範囲内の単語親密度の語彙から,実験刺激として用いる単語群を決定した.さらに,映像と音声の呈示タイミングの操作,及びピンクノイズの重畳に関して,技術面の確認を実施した.「自己・他者身体認知と相互模倣過程」においては,他者の周期的なタッピング動作を模倣しているとき,および自己の周期的なタッピング動作を他者が模倣しているときの脳活動をfMRIと脳波の同時計測によって調べることを目的としている.そこで平成21年度は遅延映像提示システムの開発を行った.このシステムでは,MRI装置内の実験協力者の手の映像,およびMRI装置外の実験者の手の映像を撮影し,その映像に遅延や回転変換,鏡像変換などの画像処理を施して実験協力者に視覚提示することができるものである.
|