2012 Fiscal Year Annual Research Report
Verbal and non-verbal communication principle revealed by neural synchrony
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
21120008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水原 啓暁 京都大学, 情報学研究科, 講師 (30392137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 敏郎 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30107015)
笹岡 貴史 京都大学, 情報学研究科, 助教 (60367456)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 認知神経科学 / コミュニケーション / 言語理解 / 動作模倣 / 神経回路 / 脳機能イメージング / 身体性 / 社会脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度においては,言語・非言語コミュニケーションに関する4項目の研究課題に対して以下を実施した. 言語の意味理解に関する研究では,単文の意味理解の機構に関する乾(2010)の仮説の検証を行い,仮説通り動詞と行為者名に対応する脳部位間のθ同期の現象が観測された.また主観的コミュニケーションに必要な3つのシステムとその相互作用についての仮説を提案した(乾, 2012). 音声コミュニケーションに関する研究では,音声提示前の自発脳波に着目して,その脳波位相により音声情報処理が促進・抑制されることを検証した.その結果,音声提示前のθ帯域の脳波の位相が音声聴取成績に影響を与える結果を得た.また,音声コミュニケーション時の脳波に関連した皮質部位の詳細を同定するために,脳波と機能的MRIの同時計測のパイロット実験を実施した. 二者が協調動作に関する研究では,一方の実験協力者が相手のタッピング動作に同調するよう動作を行っている際の脳波計測を実施した.その際,二者が互いの指の映像を見ながら動作を行う条件,一方の実験協力者が自分の指の遅延あり/なし映像を見ながら動作を行う条件を設けた.その結果,互いの指の映像を見ながら動作を行う条件で,相手に同調する実験協力者のβ帯域の位相に脱同期が起こるとともに,二者間の脳波においてβ帯域の位相同期の促進が起こった.この結果は二者間のコミュニケーションが二者間の脳におけるβ帯域の脳波の位相同期に基づいていることを示唆している. 他者の協調性による脳内ネットワークの切り替えに関する研究では,コミュニケーションに関わる実験課題中のfMRI脳活動について,異なる領野間の時間的関係を調べた.その結果,課題の状況に応じて,脳の領野間ネットワークを変化させ,脳活動の大きさを調整していることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は,言語・非言語コミュニケーションに関する4項目の研究課題を実施することを計画しており,当初の計画通りの4項目の研究課題を行った. 言語理解に関する研究では,脳波計測結果の詳細な解析が完了しつつある.また,音声コミュニケーションに関する研究では,当初の予定通り,脳波と機能的MRIの同時計測に関してパイロット実験を開始した. また,協調動作時の2者の脳波同時計測に関しても,計画通り,その計測を完了したとともに,他者の協調性により変調する脳内ネットワークについても検証が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,各研究項目について順調に研究が進捗している.そこで今後についても,これまでの計画通りの研究を実施する. 特に,言語理解に関する研究では,単文理解と複文理解のネットワークモデルを構築するとともに,行動実験によって,動作の理解が運動関連領野を使用していることおよびその時間特性を調べる.音声コミュニケーションに関する課題では,音声課題遂行中の脳波と機能的MRIの同時計測を完了するとともに,この測定にもとづき,詳細な皮質部位の同定を行う.協調動作に関する研究では,理論研究との協働で2者の脳波の位相同期解析,および行動データの解析結果との照合・検討を実施する計画である.他者の協調性による脳内ネットワークの変化の検証については,DCM解析の詳細な検討を引き続き実施する計画である.
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Research Products
(15 results)