2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会場面での人の役割分担の自律的発生メカニズムの解明
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
21120010
|
Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
大森 隆司 玉川大学, 工学部, 教授 (50143384)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 隆也 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (40202759)
長井 隆行 電子通信大学, 情報理工学研究科, 准教授 (40303010)
|
Keywords | 社会的場面 / 協調課題 / 状態推定 / 遊び / 対人コミュニケーション / モデル化 |
Research Abstract |
コミュニケーションは他者の心的状態まで考慮しつつ行動を決める複雑過程であり,その脳実現過程の理解は,現象の科学的理解を越え,社会問題の解決や新技術の開発につながる重要な課題である.本年度は,他者との相互作用の背後にある処理の理解のため,ロボットと子供の相互作用を題材としてコミュニケーションモデルを構築してロボット行動モデルを開発し,他者モデルの運用による行動決定過程のロボット実装と評価を試みた.その結果,ロボットに対して親和的な傾向のある子供達については良好なコミュニケーションが実現された. 1.保育士と子供の遊びの過程を観察し,保育士が保持する(1)遊びの過程についての知識,(2)子供についての知識,(3)子供モデルの運用による子供状態の予測,(4)行動戦略の選択のためのメタ知識,を観察・モデル化した. 2.カードゲームとじゃんけんを事例として,保育士と子供の遊び過程のモデルを計算モデルとして実装し,現実の行動過程のシミュレーション場面に対してのロボット行動決定モデルの評価を行った. 3.ロボットに子供とのカードゲームおよびじゃんけんの実施に必要な機能を実装し,他者理解および状態予測モデルを運用する行動決定モデルによる行動実験を行い,モデルの妥当性を評価した. 4.カードゲームを基本としつつ,その拡張的な場面において他者の心的状態を評価して行動探索を実現する機能部品組み合わせ探索モデルを開発し,シミュレーションによるパラメータ探索過程の効率化について評価した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
保育士の行動決定過程のモデル化,ロボットへの実装,子供を対象とした遊び実験,結果の分析を行った.その結果,予定外のより精密な実験のための子供の心的状態を推定するための測定指標を発見でき,平成24年度に実施する多人数での行動評価のための仮設が設定できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
モデルの適用が成功したのはロボットへの親和性がもともと高い子供達であり,より幅の広い子供達に適用して成功することはできなかった.理由としては,子供の性格的傾向,ロボットの行動決定モデルの対象の幅の狭さ,などが挙げられる.これらの問題を解消していく. また,この過程を観測している養育者の脳過程の観測を試みる.
|
Research Products
(11 results)