2013 Fiscal Year Annual Research Report
社会場面での人の役割分担の自律的発生メカニズムの解明
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
21120010
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
大森 隆司 玉川大学, 工学部, 教授 (50143384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 隆行 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (40303010)
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Project Period (FY) |
2009-07-23 – 2014-03-31
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Keywords | 子ども / ロボット / 遊び / 行動選択 / 感性の誘導 |
Research Abstract |
昨年度までの研究で,ロボットと子どもとの良好な遊びはいったんいい状態に入ると順調に遷移したが,最初の緊張状態からの導入に問題点があった.より幅の広い子どもの状態に対応するインタラクションのモデル化にむけて,熟練した保育士の遊び戦略を観察・モデル化するための実験を企画した. この実験では,遊び場面とは別室にロボット操作卓を置き,保育士がロボットの操作と対話を行う.ただ,子どもと遊ぶのはロボットであり,人が操作していることは判らない.30分の遊び実験の過程で,ロボット操作・子どもの動きや表情など大量のデータが記録される. 実験は8月の夏休み期間中に川崎市の柿の実幼稚園で実施され,39名の被験者全員が最後まで遊ぶことができた.子どもの反応は総じて,ロボットに興味はあるのだが,初めてなので緊張しているものが,ロボットからの働きかけで次第に緊張がほぐれて楽しく遊べた,という経過であった. 観察記録のデータ総量は1.5Tバイトに及んだ.各子どもの遊びの過程における緊張度をタグ付けし,子どもの緊張度の変化とロボットからの働きかけ,すなわち保育士の行動選択との関係を分析した.その結果,保育士の遊び選択は定型的なパターンがあり,それは主に子どもの緊張の程度の変化に沿って変化していくことが判った.保育士は子どもの緊張の程度を観察し,緊張が高い,中程度,ほぐれたときのそれぞれで子どもの興味をつなぐのに効果的な遊びを選択していた. 結果として,人のインタラクションには表面的なやりとりのための情報処理とは別に,相手の緊張をほぐし興味を維持する過程があることが判明した.我々は,そのような動機・報酬に影響する相手の心的状態に働きかけ,円滑なインタラクションを実現している,と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)