2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Integrative understanding of biological processes mediated by transient macromolecular complexes; New technology for visualizing physiologically metastable states. |
Project/Area Number |
21121007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早坂 晴子 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (70379246)
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Keywords | ケモカイン / 細胞遊走 |
Research Abstract |
私たちはこれまでに、免疫細胞動態制御におけるケモカインの役割解析の過程で、CXCL12がCCR7発現誘導することなく、CCR7リガンド誘導性T細胞ケモタキシスを促進することを明らかにした。これらの知見は、ケモカイン応答性は、接着分子やケモカインレセプターの発現レベルだけでなく、細胞膜上での分子修飾、多量体化、局在変化など多様なレベルで機能調節を受け、そのような分子構造の遷移が細胞動態に大きな影響を与えることを示す可能性を示唆するものである。そこでケモカインレセプターのリガンド結合誘導性の機能活性化において、レセプター局在変化、多量体化との関連について解析をすすめるため、平成21年度はケモカインレセプター細胞内局在変化の検出システムの開発を試みた。まず、遺伝子組換えによりCXCR4とmCherryの融合タンパク質、およびGFPとCCR7融合タンパク質を乳癌細胞株に発現させ、リガンド結合による細胞内局在変化や多量体化の解析システムの開発を試みた。またこの癌細胞株ではCXCL12処理によりCCR7リガンドに対する感受性亢進が観察されることから、この細胞株をCXCL12およびCCR7リガンドで刺激した際のケモカインレセプターの細胞内局在変化とCCR7リガンド感受性との関連について解析した。この結果、CXCL12処理により、CCR7リガンド非存在下においてCCR7の細胞膜局在に変化が生じ、この変化はCCR7リガンドで誘導される局在変化と類似していた。このことから、CXCL12は、CCR7の細胞内局在変化を誘導することで、CCR7のリガンド感受性亢進に貢献する可能性が示唆された。 上記のシステムを応用し、CXCR4リガンド結合ドメイン(N末端)欠失変異体、及び活性増強型(C末端欠失)変異体とmCherryの融合タンパク質発現細胞株を用い、リガンド存在下、非存在下におけるレセプター局在変化を解析する。また変異株を発現する細胞の遊走能を解析し、ケモカインレセプターの構造変化と細胞遊走誘導との関連を明らかにする。
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Research Products
(4 results)