2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Integrative understanding of biological processes mediated by transient macromolecular complexes; New technology for visualizing physiologically metastable states. |
Project/Area Number |
21121007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早坂 晴子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70379246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白 忠彬 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (10512840)
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Keywords | 乳癌 / リンパ節 / 癌転移 |
Research Abstract |
ケモカインは主に血球系細胞に働いて細胞骨格の再構成、細胞運動性の亢進や細胞生存延長などをもたらし、免疫恒常性の維持に重要な役割を果たす。私たちはこれまでに、CXCR4リガンドであるCXCL12が、マウスT細胞のCCR7リガンド(CCL19/CCL21)への応答性を促進することを明らかにした。同様にCXCR4/CCR7陽性ヒト乳癌細胞株MDA-MB-231においても、CXCL12存在下で、CCR7リガンド(CCL19/CCL21)への応答性が有意に促進された。そこでCXCR4リガンドによるCCR7活性促進が癌のリンパ節転移のメカニズムの一つである可能性を検討するために、MDA-MB-231腫瘍組織におけるCXCL12およびCCR7リガンド発現を解析した。その結果、CXCL12は癌細胞集塊周囲に発現し、CCL21は癌細胞集塊内部および集塊周辺部のリンパ管周囲に濃縮して発現していた。この結果は、CXCR4発現癌細胞がCXCL12と相互作用することでCCR7リガンドに対する反応性が亢進し、その結果、癌組織内およびリンパ管への癌細胞移動が誘導されるという仮説と矛盾しない。また、同所性移植マウスに転移リンパ節から癌細胞を分離し、再培養後に同所性移植を二回繰り返し、リンパ節高転移株を3株樹立した。これらのリンパ節高転移株では、CXCR4及びCCR7の発現が親株と比較してそれぞれ50倍から250倍および5倍から25倍程度増加していた。以上の結果から、CXCR4リガンドによるCCR7活性促進が、定常状態におけるリンパ球生体内動態だけでなく、ヒト癌細胞のリンパ節転移にも関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Two-state conformations in the hyaluronan-binding domain regulate CD44 adhesiveness under flow condition2010
Author(s)
Ogino, S., Nishida, N., Umemoto, R., Suzuki, M., Takeda, M., Terasawa, H., Kitayama, J., Matsumoto, M., Hayasaka, H., Miyasaka, M., and Shimada, I
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Journal Title
Structure
Volume: 18
Pages: 649-656
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