2022 Fiscal Year Annual Research Report
The neural basis of broadening sense of self by digital embodied network
Project Area | Foundations of digital embodied economics |
Project/Area Number |
21H05071
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細田 千尋 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (20578976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 由浩 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90432286)
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Project Period (FY) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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Keywords | デジタル身体性 / 触覚 / 安静時脳機能結合 / 脳可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
人と人が直接接することが困難になりつつある現代社会において、リモートコミュニケーション (e.g., Zoom)が広く利用されており、遠隔においても臨場感のあるコミュニケーションを実現することが期待されている。分担者田中らは、視覚や聴覚の伝達に加え、身体性情報(触覚)を共有する技術を開発してきたが、この新たな触覚情報の共有がヒトに及ぼす効用は不明である。そこで本年度は、触覚情報の共有が、脳機能にどのような影響を与えるか検討することを目的とした実験を実施した。 被験者は、70名 (女性=34名、平均年齢=21.1歳)であった。触覚情報を随伴しZoom上で会話をする触覚コミュニケーション群 (n=36名)と、通常に会話をするコントロール群 (n=34名)を作成した。被験者は、話し相手 (実験者)と簡単な自己紹介をした後、各条件のもと15分間会話を行った。会話内容は、Aronらが作成した、相手との心的距離感を変化させないような会話(質問リスト)に沿って行われた。会話中、触覚コミュニケーション群では、参加者の会話内容に承認や同意を示すタイミングで触覚情報が付与された。被験者は、会話の直線・直後に、3T MRI (Siemens PRISM)によりrs-fMRI を取得した。線条体をシードに設定し、seed-to-voxel analysisを行った。内観報告に基づき適切な触覚情報を感じることができなかった参加者 (25名)を除き、2要因の分散分析[グループ (触覚・コントロール)×時間 (会話前・会話後)]を実施した。また、触覚共有による情動変化を検討するため、相手との繋がりに関するスコアと共感に関連する前帯状回をシードとした安静時機能結合の相関分析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
70人に対し、遠隔コミュニケーション時のデジタル身体性情報の共有が脳と心理に与える影響について実験を実施し、結果を得ることができたことからおおおむね順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
触覚情報の共有については、これまでもその感度の個人差が大きいことが報告されてきたが、我々の実験でもその個人差が大きいことが見出された。よってこの技術の利用においては、この個人差を事前に知るすべが確立されることが重要であると考える。よって、今後は、脳や心理情報からこれらの個人差についての推定をする技術の開発研究を実施する。また、どのような触覚情報が、脳機能、利他性などに影響を及ぼし得るのかについても検討をしていく
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Research Products
(6 results)