2021 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical glycan modification of membrane proteins for "manipulating" membrane dynamics
Project Area | Regulation of membrane dynamics by glycan chemical knock-in |
Project/Area Number |
21H05077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生長 幸之助 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (00583999)
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Project Period (FY) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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Keywords | 生体適合化学 / 膜タンパク質 / 糖鎖 / 生体共役反応 / 膜動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然界には見られない糖鎖構造/修飾様式を備える膜タンパク質を簡便に「つくり」、膜動態を「あやつる」ための糖鎖膜タンパク質の創出を目指し、膜上で実施可能なの化学的糖鎖修飾法(糖鎖ケミカルノックイン反応)の開発を目標に研究を行った。令和3年度は、分子夾雑系に適する反応剤転位型トリプトファン/チロシン選択的化学修飾法を最適化し、糖鎖修飾膜タンパク質を創出可能とする基盤技術の開発を進めた。具体的には、下記の進捗を得た。 1)イミノキシルラジカルを用いるチロシン選択的タンパク質修飾法について、実験データの収集を完了させ、原著論文としてまとめ上げた。投稿・改稿を経て査読付き論文誌に公開することができた(J. Am. Chem. Soc. 2021, 143, 19844)。合わせてプレスリリースを行い、化学系メディアで紹介されるに至った。 2)酸化剤を要請しない反応剤転移条件へと展開すべく、試薬を担持させる分子構造の検討を行った。その結果、トリプトファン法では電子豊富な、チロシン法では電子不足な分子構造へ試薬を担持してやることで、反応剤転移効率が向上することがペプチドレベルの実験で確認された。 3)球状タンパク質を用いて、真鍋Gより提供された糖鎖分子を、トリプトファンおよびチロシンを標的に糖鎖修飾するための基礎条件検討を行った。その結果、アジド担持型試薬を用いて修飾を行った後に、歪みクリック反応を用いて連結するというプロトコルが機能し、タンパク質トリプトファン・チロシン残基へとオリゴ糖を修飾可能である事を実証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度における半年間の進捗状況として判断すると、より複雑なモデル系に移行するまでの基礎的知見を実験的にしっかりと蓄積することができたと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、糖鎖修飾膜タンパク質の調製法確立を目指し、下記の課題に取り組んでいく。 1)反応剤転移条件については、より複雑な球状タンパク質、膜タンパクナノディスクを用いて最適化を行い、確実な反応進行が確認できる条件を見いだしていく。また修飾位置の確認も行う。 2)空のナノディスクおよびKcsAナノディスクをそれぞれ調製し、トリプトファン・チロシン修飾法によって糖鎖修飾が可能である事を確認する。それぞれの修飾様式をMS解析で比較し、膜タンパク質に優先的に修飾が起こせる条件の探索も行う。
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Research Products
(23 results)