2021 Fiscal Year Annual Research Report
脳脊髄液の産生組織におけるメカノセンシング動態の解明
Project Area | Pressio neuro-brain science: principle for brain function development through compressive stresses under physiological or pathological condition |
Project/Area Number |
21H05125
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野々村 恵子 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (70799246)
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Project Period (FY) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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Keywords | メカノセンサー / 脳 / ライブイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脳の発生と機能におけるメカノセンシング機構の生理的な役割の解明を目指すものである。そのために、メカノセンサーとしての機能をもつタンパク質に着目し、その発現が認められる脳内の細胞種について、機械的な要素の変動が細胞挙動に及ぼす影響を解析する。2021年度および繰越期間中には、機械的な刺激の負荷がどのような細胞内シグナル系の変動を伴い細胞挙動の変化をもたらすのかについて、ダイナミクスを含めて検証を行うためのイメージングシステムの検討とセットアップを行なった。これにより、蛍光タンパク質レポーターを遺伝的に発現させたマウスの脳組織のex vivo系において、ライブイメージングにより細胞挙動および細胞内シグナル系の変動を解析できるようになった。このライブイメージング系を用いて、対象脳組織のex vivo培養に対し、薬剤を添加した場合の細胞内シグナルの変動について解析した。並行して、ライブイメージング系に機械的な刺激を負荷するための系の検討を進めた。導入予定の一部の機器について、新型コロナウィルス流行に伴う製造および物流の遅延の影響を受けた。このため、研究のうちこの部分については2022年度に繰越して検討を行なった。複数の種類の機械的な刺激について方法を検討し、その内の一つについて、脳組織への負荷が細胞挙動に影響することを示唆する予備的結果を得た。この結果について、メカノセンサー分子の寄与を検証するため、薬剤及び遺伝子欠損マウス脳組織を用いた実験を実施するための準備を進めた。並行してオルガノイドを用いた実験系についても検討を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は研究に必要な一部の機材について、新型コロナウィルス流行に伴う製造および物流の遅延の影響を受けた。このため、研究のうちこの部分については2022年度に繰越して検討を行なった。それ以外の部分については、当初の予定通りに研究を進められた他、繰越した部分についても2022年度中に順調に遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度及び2022年度に繰越してセットアップしたライブイメージングと機械的な刺激の負荷を組み合わせる系を用いて、脳組織におけるメカノセンシングの細胞挙動への影響とその分子機構についてダイナミクスを含めた解析を今後実施する。
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