2021 Fiscal Year Annual Research Report
Large-scale neural activity recordings and a holistic understanding of the brain
Project Area | Holism in neuroscience: Large-scale recording and simulation |
Project/Area Number |
21H05135
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平 理一郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (80712299)
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Project Period (FY) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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Keywords | 2光子顕微鏡 / 大規模計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に新規の顕微鏡の立ち上げを進めると同時に、NeuropixelsプローブとScan optogeneticsシステムを用いた大脳皮質、小脳、大脳基底核、上丘間の機能的結合の同定の実験、ファイバーフォトメトリ実験を進めた。新規の顕微鏡立ち上げにおいては、世界最大視野を有する2光子顕微鏡(Diesel2p;Yu, Stirman, Yu, Hira, Smith 2021)を再設計したものを京セラSOC社と開発し、導入した。現在のところパーツの60%程度が組みあがっている。カルシウムイメージングが可能なマウスの作成にまで行かなかったため、この顕微鏡を用いた動物実験は完了していない。NeuropixelsとScan optogeneticsシステムの実験系においては、大脳皮質にChR2が発現したラットを用い、大脳皮質の10mm x 10mmの領域を32 x 32に分割した一点一点を1秒間に10点程度のスピードで青色レーザー光刺激した。刺激に応答する細胞活動を、小脳、大脳基底核、上丘において記録することに成功した。特に小脳においては、小脳核、苔状線維、プルキンエ細胞からの応答が、マップおよびPSTH(遅延時間)において明確に区別された。大脳基底核においては主にSNrをターゲットとしており、上丘においては外側部分をターゲットとしている。加えてファイバーフォトメトリを用いて大脳基底核のカルシウムイメージングとドーパミン記録に成功したが、赤色のカルシウムイメージングには成功していないためこれらを同時に測定することが次の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
顕微鏡の構築については、京セラSOC社の製造工程が予定通り6カ月で完了している。これに光学部品を付け加えるところは22年度前半で行う予定である。NeuropixelsとScan optogeneticsシステムは予定通り進捗した。特に小脳においては既に大規模なデータを得ている。ファイバーフォトメトリについても覚醒動物を用いた実験が順調に進捗しており、今後は多重化のステップに移る事ができると考えらえる。世界的な半導体不足によるスキャナーの納品の遅延などがあるが、それらについても現在のところは対応できている。コロナウイルスの問題もあり動物の搬入に時間がかかったことでカルシウムイメージングまではできなかったが、実験系の実証としては問題なく進んでいると考えらえる。
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Strategy for Future Research Activity |
広視野2光子顕微鏡を立ち上げるとともに、カルシウム感受性タンパクGCaMPを発現したマウスの飼育を行い、頭部固定具手術を行って、in vivoカルシウムイメージングを行う。10万細胞程度の記録を行う。それと同時にファーバーフォトメトリによるドーパミンやノルアドレナリンの活動記録を行う。これと並行してNeuropixelsとScan optogeneticsシステムを使った実験を進める。後者に関しては既にデータが得られているため、A03,04班と連携して大規模シミュレーションに統合していく。
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