2021 Fiscal Year Annual Research Report
Holistic approach towards understanding cognitive and motor development based on interaction among brain, body, and environment.
Project Area | Holism in neuroscience: Large-scale recording and simulation |
Project/Area Number |
21H05138
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森 裕紀 早稲田大学, 次世代ロボット研究機構, 客員主任研究員 (80610849)
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Project Period (FY) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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Keywords | 全身筋骨格シミュレーション / 注意モデル / 予測符号化 |
Outline of Annual Research Achievements |
全体性シミュレーションを行うための全身筋骨格マウスを開発する準備を行なった。理研の太田聡史氏と今後の進め方について議論を深め、2022年度から研究分担者として研究を推進することとなった。遺伝子操作技術と3次元再構築技術により腱の位置を蛍光により同定することができるため、実データに基づくモデル構築が可能となる。 また、筋骨格シミュレーションを行うための基盤技術を検討し、ロボットシミュレーションで実績のあるMujocoを物理シミュレーションエンジンとして選定した。Mujocoにより筋骨格モデルを構築できることを確かめたため、2022年度はマウスの全身筋骨格物理シミュレーションを実装する。また、Mujocoによる簡易な筋骨格モデルと以前から我々が提案している脊髄・延髄神経系モデルを結合し、探索的な運動が創発されることを確かめた。 感覚運動における予測符号化を「注意」に基づいて行うモデルを構築し、基礎実験を行いロボット実装のための基礎技術を確率した。工学的には注意は深層学習による自然言語処理で用いられる技術であるが、本研究で提案した注意モデルでは、画像に対して注意を向けるモデルであり、位置符号化を工夫することで学習のためのデータ量や学習時間を抑えて、位置への汎化性を高めることに成功した。このモデルでは注意がデータと目的に応じて適応的に選択されることが示されており、ボトムアップだけでなくトップダウンにも注意が誘導されることが期待される。 4脚ロボットを想定して、環境を動き回りながら世界モデルを構築しながら全体性を獲得するモデルを検討した。見たことのない部分の新規な状況を認識し、必要に応じて情報を収集できるモデルであり、好奇心の基盤とすることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト推進のための準備が概ね終了した。当初のメンバーでは不十分な点を2022年度からの研究分担者により補うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
太田聡史氏が持つ遺伝子組み換え技術を活用して、科学的に妥当な全身筋骨格モデルを開発する。 2021年度に構築した注意モデルをロボットへ実装し、能動的注意の実験を行う。 全体性解析技術として考えられる統合情報量による基礎的な検討を行う。決定論的カオスにより統合情報量が増加する仮説を検討し、情報統合による情報生成が統合情報量に与える影響について調査する。
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