2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Post-lysosome: Understanding of Higher-order Biological Processes initiated by the site of degradation |
Project/Area Number |
21H05146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 多喜 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (70552991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永沼 達郎 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 助教 (60779619)
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Project Period (FY) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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Keywords | リソソーム / 脂質 / 寿命 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画研究ではリソソームで分解された脂質代謝産物やリソソーム膜脂質の中から、リソソームを起点とした寿命制御シグナルの責任因子を明らかにすることを目指している。まず、リソソームリパーゼLipl-4を過剰発現した線虫(Lipl-4 TG)のリピドミクス解析を行なった。その結果、網羅的なノンターゲット解析では遊離脂肪酸に限らず、一部のホスファチジルコリンやトリアシルグリセロール分子種などの増加が観察された。またN-アシルエタノールアミン類に焦点を当てたターゲット解析では、一部のN-アシルエタノールアミン分子種が増加していることが確認された。しかし過去の知見とは異なり、オレオイルエタノールアミド(OEA)はそれほどはっきりとした増加が見られず、寿命延長作用にはOEAとは異なる未知の脂質代謝産物が関与していることが強く示唆された。本計画研究では領域内共同研究として、リソソームからの脂質供給を促進させた脊椎動物モデル生物キリフィッシュの作製も開始した。これまで順調に進んでおり、遺伝子改変系統の第1世代が得られており、近いうちに解析を開始する。脂質プローブ開発プロジェクトに関しては、代表的なリソソーム膜脂質であるホスファチジルイノシトールリン脂質PI3,5P2に対するプローブ作製に取り組んだ。in vitroで結合するbinderが数クローン取れたが、特異性はそれほど高くなく、脂質プローブとして in vivoで使うためには再度のスクリーニングや、分子進化法による改変等が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は当初の予定通り、線虫やキリフィッシュを用いた領域内共同研究を開始することが出来た。リピドミクス解析や脂質プローブ作製プロジェクトに関しても、研究を実施する上で必要であった系の最適化がほぼ完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、領域内共同研究を積極的に進めていく。まずは、リソソームからの脂肪酸供給を促進させたキリフィッシュで解析可能なラインが樹立され次第、脳や肝臓などの組織でリピドミクス解析を行う。また同時並行で、Lipl-4 TG線虫で関連遺伝子をノックダウンして、そのリピドミクス解析を行い、寿命制御に関与する脂質代謝産物の絞り込みに取り組む。脂質プローブ作製プロジェクトは、ホスファチジルイノシトールリン脂質だけでなく、他のリソソーム膜脂質に対するプローブ作製にも着手する。
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Research Products
(1 results)