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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Structural analysis of megadalton complexes in the dynamic genome

Planned Research

Project AreaAutonomous biological systems of megadalton complexity
Project/Area Number 21H05154
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

野澤 佳世  東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (10808554)

Project Period (FY) 2021-08-23 – 2024-03-31
Keywordsクライオ電子顕微鏡解析 / クロマチン構造 / RNAポリメラーゼII / 遺伝子発現制御 / メガダルトン複合体
Outline of Annual Research Achievements

2年次から最終年度は、DNAループを構成するコヒーシンとコヒーシンのローダー・タンパク質、ヌクレオソーム複合体のクライオ電子顕微鏡解析を実施した。その結果、予備的な電子密度からヌクレオソームのアシディックパッチと結合するコヒーシン複合体を観察することができた。また同複合体を架橋剤で固定した後、プロテアーゼ消化で得られた架橋ペプチドをLC/MSで同定するクロスリンク質量分析も実施し、サブユニット同士の相互作用マップを作成した。その結果、ローダー・タンパク質がアシディックパッチに面していることが明らかになった。また領域内共同研究にて、クロスリンク情報を束縛条件としてMDシミュレーションを行うことで、自動で複合体のドッキングモデルを作成するソフトウェアの開発も進めた。また、コヒーシンのDNA押し出し活性を止めて電子顕微鏡像自体の解像度を上げるために、複数のATP非加水分解アナログ存在下での試料調製条件の検討も行った。加えて、リポソーム上に人工核を組み上げる融合研究については、蛍光標識したヌクレオソームを人工細胞に包埋することに成功した。しかし、同条件の人工細胞は、クライオ電子顕微鏡観察の試料凍結のステップで大半が壊れてしまうことが分かり、タンパク質の高分解能観察に適していないことが分かった。そこで、最終年度ではこの問題を解決するために、クライオ電子顕微鏡観察のコントロール・タンパク質としてグルタミン酸合成酵素 (GlnA)を調製し、人工細胞の作成条件の検討を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

一年次から2年次、2年次から最終年度には、研究費の繰り越しが発生したため、一昨年度と昨年度の実績報告には、一部重複が生じている。
これまでコヒーシン複合体のヌクレオソーム結合については、ほとんど議論がなされていなかったが、クライオ電子顕微鏡解析の予備的な電子密度からヌクレオソームのアシディックパッチと結合するコヒーシン複合体の立体構造を観察することができた。このデータとクロスリンク質量分析法によって得られた同複合体の相互作用マップを照らし合わせたところ、コヒーシン・ローダーを構成するMis4やRad21サブユニットがアシディックパッチに面していることが見出された。また同複合体の構造未知の領域(Ssl3、Scc3)については、AlphaFold2を用いてモデルを作成しているため、複合体のドッキングモデルの作成に加える予定である。また、コヒーシンのDNA押し出し活性を止めて電子顕微鏡像自体の解像度を上げるために、複数のATP非加水分解アナログ存在下での試料調製条件の検討も行い、最終的にATP-AlFxを用いて電子顕微鏡の観察試料を作成した。
また、本課題で用いたヌクレオソーム再構成技術を用いて、新規のクロマチンユニットであるH3-H4オクタソームのクライオ電子顕微鏡単粒子解析を行い、筆頭著者として学術雑誌PNAS誌に報告することができた。加えて、リポソーム上に人工核を組み上げる融合研究については、クライオ電子顕微鏡の観察のコントロール・タンパク質としてグルタミン酸合成酵素 (GlnA)を調製し、電子顕微鏡観察に特化した人工細胞作製条件の検討を実施した。これらの実績から、本研究課題が大きく進展してたと考えている。

Strategy for Future Research Activity

今後は、コヒーシン複合体とヌクレオソームのクライオ電子顕微鏡解析については、ATP非加水分解アナログを用いてコヒーシンの動きを止めた試料についても電子顕微鏡解析を行いたいと考えている。加えて、コヒーシン複合体によって、転写が促進された転写複合体を観察するために、転写テンプレートの配列と添加するヌクレオチドを限定することでRNAポリメラーゼII (RNAPII)を任意の位置で止めた試料も作成したいと考えている。人工細胞可視化システムの構築では、クライオ電子顕微鏡で観察可能なタンパク質の封入システムを構築し、最終的には申請者が再構成したDNAループ複合体とリコンビナントに調製したラミン・タンパク質を包埋することで、膜局在化したゲノム構造を再現した状態で、転写反応を再現したいと考えている。また、上述したリコンビナント・タンパク質としてDNAループ複合体を組み上げて、人工細胞内に包埋する方法とは別に、タンパク質の無細胞合成系 (Pure system)を人工細胞内に包埋して、人工細胞内でLamin Aやemerin、BAFタンパク質を合成させて、核内構造を再現し、クライオ電子線トモグラフィー法で立体構造解析するプロジェクトにも着手したいと考えている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Invited: 2 results)

  • [Presentation] Cryo-electron microscopic analysis reveal a nucleosome-like particle without histones H2A and H2B, H3-H4 octasome2023

    • Author(s)
      Kayo Nozawa
    • Organizer
      International Symposium on Chromatin Architecture: Structure and Function
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Structural and biochemical analysis of a novel structural unit of chromatin2022

    • Author(s)
      Kayo Nozawa
    • Organizer
      Panelist for 20th Surugaidai International Symposium & Joint Usage/Research Program of Medical Research Institute Symposium
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] クライオ電子顕微鏡解析から明らかになった新しいサブヌクレオソーム・H3-H4オクタソームの構造機能解析2022

    • Author(s)
      野澤佳世
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会年会 日本生物物理学会 共催
    • Invited

URL: 

Published: 2024-12-25  

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