2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research of spontaneous local learning rule on multi-cellular networks
Project Area | Multicellular neurobiocomputing |
Project/Area Number |
21H05165
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松井 鉄平 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (10725948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根東 覚 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任准教授 (20301757)
桂林 秀太郎 福岡大学, 薬学部, 教授 (50435145)
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Project Period (FY) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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Keywords | 神経科学 / 自発活動 / シナプス / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
研究室の移設に伴い、昨年度に構築したマウス大脳皮質にアデノ随伴ウイルスを用いて緑色蛍光CaセンサーGCaMPを遺伝子導入する設備を、分担者である根東の協力のもとに再度構築しました。この設備を活用して、自然画像を用いたマウス大脳皮質一次視覚野の細胞集団における視覚応答のデータ取得を行いました。 大脳自発活動の解析に関しては、遺伝子改変マウスを使用して、より広範囲の大脳皮質における自発活動および感覚応答を計測するための光学システムを構築しました。また、これと並行して、fMRIを用いて計測されたヒト脳の安静時脳活動の大規模データセットの解析も行いました。特にエネルギー地形解析に焦点を当てた解析を実施し、その結果、得られたデータが必ずしも安静時脳活動の非定常性を示しているわけではないことを発見しました。 さらに、分担者の桂林の主導のもと、松井と根東が協力してオータプス系におけるプレシナプスの新規解析法を開発しました。根東は昨年度から続けているウイルスによる遺伝子導入を活用して、大脳皮質視覚野の少数の神経細胞にGCaMPを発現させ、その神経細胞の樹状突起スパインへの入力情報をin vivo二光子Caイメージングにより計測しました。今年度は特に抑制性神経細胞へのシナプス入力を計測するための実験系の開発を行いました。 これらの研究を通じて、大脳皮質の自発活動および感覚応答のメカニズムを解明するための基盤を築くことができました。今後もこの基盤を活用し、さらなる研究の進展を目指します。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
松井は予定していたin vivo 2光子Caイメージングの実験環境の構築とデータ取得を完了することが出来た。また、自発活動の解析については遺伝子改変マウスでの実験系の構築に合わせてヒト脳活動データの解析を実施し、一定の成果を得ることが出来た。後者については論文投稿を準備中である。 分担者との共同研究についてもプレシナプスの新規解析手法を開発し、論文を出版することが出来た(Kitaoka et al., Frontiers in Neuroscience 2024)。また、分担者それぞれの研究もおおむね計画通りに進行している。以上のことから、おおむね順調な進捗が得られていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、構築した実験環境を使用し、マウスを対象として,大脳皮質・視覚野において単一神経細胞・単一シナプスレベルでのin vivo2光子Caイメージングを行う.まず大規模な静止画データセットに対する大脳皮質神経細胞の細胞体レベルおよびシナプスレベルでの 活動観察を行う。これにより,異なるレイヤー間での情報伝達原理や,単一神経細胞によ る情報統合原理を明らかにすることを目指す.また、人工神経回路の自発活動や刺激応答と定量比較する. ヒト機能的MRIの公開大規模神経活動データの解析については、得られた成果を研究論文として発表する.
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