2023 Fiscal Year Annual Research Report
Digital Twin Science for Creation of Materials by Super Thermal Field
Project Area | Creation of Materials by Super Thermal Field: Neo-3D printing by Manipulating Atomic Arrangement through Giant Potential Gradient |
Project/Area Number |
21H05193
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小泉 雄一郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10322174)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥川 将行 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70847160)
|
Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
|
Keywords | Digital Twin / Additive Manufacturing / Solidification / Crystal growth / Super-thermal Field / Process monitoring / CtFD simulation / Phase-field |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に成功したレーザー粉末床溶融結合(PBF)でのμ-Helix法による316Lステンレス鋼の単結晶化をベースにして研究を発展させた。超弾性や形状記憶など特性の発現が期待されるFe-Al合金や、非接触電磁ブレーキ用ヒステリシス材であるFe-Cr-Co合金にレーザー照射実験を行い、PBFプロセスの巨大な温度勾配下(超温度場)での絶対安定の臨界速度以上の凝固速度で凝固偏析のない無偏析凝固組織形成の可能性が示した。これらの結果を踏まえて、本年度は、Fe-Al合金およびFe-Cr-Co合金にμ-Helix法を適用した造形を行い、種々のプロセス条件を最適化することで、無偏析単結晶材造形に成功した。この成功により、超温度場を活用した3Dプリントによる高機能材料創成の道筋を示すことができた。さらには、A01b班と連携し、フェーズフィールドシミュレーションにアンサンブルカルマンフィルタによるデータ同化を適用し、凝固過程のその場観察実験データから、界面移動度や界面エネルギーなどの界面特性を逆推定する新規なデジタルツイン手法を確立した。さらに、当初2024年度に予定していた半導体材料への電子ビーム照射の実験も当初の前倒しで実施した。電子ビームとの相互作用における金属との違いに注目して、セラミックス材料にPBF用電子ビームを照射する実験を行い、A03c班と連携してデジタルツイン解析により得られる組織形成過程を調べ、極めて興味深い結果を得た。特筆すべきこととして、金属材料と類似のデンドライト柱状晶組織を形成する結晶成長が生じることを見出した。研究成果を国内外の学会発表した発表した学生が受賞するなど、領域内外の研究者からも高い評価を得ている。当初予定していた研究を遂行するとともに、前倒しで進展させた研究も多く、全体としては当初の計画以上に進展している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度に成功したレーザー粉末床溶融結合(PBF)でのmicro-Helix法による316Lステンレス鋼の単結晶化に続いて、2023年度は、機能性の高いFe-Al合金およびFe-Cr-Co合金にmicro-Helix法を適用した造形を行い、種々のプロセス条件を最適化することで、絶対安定を利用した無偏析単結晶材の造形に成功した。さらに加えて、セラミックス材料にPBF用電子ビーム照射した際の組織形成もデジタルツイン解析により調べ、金属材料同様に超温度場での凝固によって特異な柱状結晶成長が生じていることを明らかとした。これらの実験およびシミュレーション解析を通して、プロセスモニタリングデータおよび温度場・凝固条件シミュレーションデータを種々の材料に対して蓄積しており、機械学習手法も活用した解析を進めている。さらには、A01b班との連携し、PFシミュレーションとEnKFに基づき、実験その場観察像から界面特性を逆推定する新規なデジタルツイン手法を確立した。2024年度に予定していた半導体材料への電子ビーム照射の実験も当初の結果から前倒しで実施した。これらの研究成果は,発表した学生が国内外の学会で受賞するなど、領域内外の研究者からも高い評価を得ている。全体として計画よりも前倒しで進展している部分が多く、当初の計画以上に進展していると評価できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに、Fe基合金、Ti基合金を中心とする金属材料、Al2O3、ZrO2などのセラミックス材料、さらには半導体材料へのPBF用電子ビーム照射による急速溶融・凝固挙動を、巨大な温度勾配(超温度場)に注目したCtFD計算、PF計算を中心としたシミュレーション手法、高速度カメラと2色法による表面の温度分布変化測定などの実験観察手法によって明らかとしてきた。これらのデジタルツイン解析を基盤として、温度勾配G、凝固速度R、流速U、凝固方向Φなどの材料種との関係および組織形成との相関を評価したデータ拡充を行なってきた。さらには、A01-b班のインフォマティックスと連携を進めることで、実験その場観察像から物性値を推定するデータ同化手法を確立・実証することができた。今後は、これら研究をさらに進めてデータを拡充し、材料の各種物性から、超温度場条件下でのより高品質な単結晶化の指針を得る。各班との連携を深めて行き、A01b班とはデータ同化手法の精度向上・金属材料への拡張を進める。データ同化の精度検証には、A02b班の多彩な解析手法によって得られる測定データも評価指標とする。また、得られた界面物性データをもとに、A02a班の溶融・凝固挙動のその場観察をより詳細に検討できるシミュレーションモデルの構築も進める。さらには、超温度場での結晶成長のデジタルツインを構築することで、A03-a班のスーパーチタンの基となるTi合金、共通試料とした316Lステンレス鋼、さらに機能性が期待されるFe系合金を対象に、(1) 絶対安定性発現、マランゴニ効果によるデンドライトの溶断など、超温度場特有の現象と結晶成長との関係に注目して解析するとともに、超温度場材料創成学の理論体系構築に資する。加えて、新たに参画する公募班とも連携を強化し、超温度場における新規な材料創成プロセスを開拓して行く。
|
Remarks |
研究協力者: 澁田 靖 東京大学・教授, 大野宗一 北海道大学・教授, 市川 修平 大阪大学・准教授, 畑中 修平 大阪大学・技術職員, 柳玉恒 大阪大学・特任助教 大学院生: 博士後期 王雷, 博士前期 亀野航, 瀬口侑右, 中村 弘和, 佐藤 翼, 澤泉 克彦, 廣岡 勢, 福島 希真, 三野 修平 学部学生 高島 大空, 済藤 天斗, 瀬戸口博俊, 元山誓織, 長者亮介
|
-
-
-
-
[Journal Article] 金属3Dプリンティングの特異界面形成によるカスタム力学機能制御学の構築~階層化異方性骨組織に学びつつ~2024
Author(s)
Nakano Takayoshi、Ishimoto Takuya、Matsugaki Aira、Ozasa Ryosuke、Gokcekaya Ozkan、Yasuda Hiroyuki Y.、Cho Ken、Koizumi Yuichiro、Okugawa Masayuki、Yoshiya Masato、Fujii Susumu、Tane Masakazu、Miyoshi Eisuke、Higashino Shota
-
Journal Title
Materia Japan
Volume: 63
Pages: 36~41
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 積層造形法によって作製したTi-Cr-Sn合金の内部組織と力学特性2023
Author(s)
田原正樹, 金奕霖, 陳成, 野平直希, 海瀨晃, 邱Wan-Ting, 小笹良輔, 石本卓也, 小泉雄一郎, 中野貴由, 細田秀樹
Organizer
日本金属学会2023年秋期(第173回)講演大会 公募シンポジウム
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-