2022 Fiscal Year Annual Research Report
Advanced Program Synthetic Photochemistry
Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
21H05209
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 隆司 日本工業大学, 基幹工学部, 准教授 (30451991)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | 光反応 / 光触媒 / フッ素 / 機械学習 / フロー合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
励起種やラジカル種などの高反応性化学種を簡便に発生できる光反応プロセスは、熱エネルギーでは困難な反応を実現できるため、革新的分子変換法の鍵プロセスとして期待できる。しかし、高エネルギー状態の化学種を効率よく合成反応に活用するためには、適切な熱反応プロセスを組み込んだ光反応システムの精密なプログラム化が不可欠である。一般的に本プログラム化には多大な労力と膨大な時間が必要である。本研究課題では、①合成化学の基盤技術である遷移金属触媒(MC)系(熱反応プロセス)と光触媒(PC)系(光反応プロセス)の融合及び②新有機分子光触媒の創製を基盤に、革新的反応制御法の開発に挑戦するが、機械学習を活用することで研究の大幅な効率化をはかる。また、省エネルギーな汎用LED光源を用いた短寿命反応性化学種の発生と高速・高選択的光反応への展開に加え、領域全体のサポート拠点としてAI支援を円滑に受けるための光反応データ収集用にインライン分析ユニットを組み込んだフロー型光反応装置の開発にも取り組む。 2022年度はA03班滝澤グループと共同研究を進め、課題①に関してベイズ最適化を用いた反応条件の最適化に取り組んだ。金属触媒と光触媒の協同作用系の反応条件最適化において機械学習が指針を示すことで反応収率の向上がみられた。また、フルオロアルケン類の光触媒的異性化反応系に有効な光触媒を見出した。フルオロアルケン類は合成中間体や医薬分野で有用な構造モチーフとして注目されており、今後フロー光反応装置を用いスケールアップ合成にも取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フルオロアルケン類の光触媒的異性化反応を見出した。また研究支援員を雇用し300近い光反応データをデータベース化することができた。今後機械学習の基盤となる実験データのデジタル化が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
A03班と連携しながら本申請者のグループでベイズ最適化などの機械学習をさらに活用し研究を加速する。A02班と共同でフロー光反応系の有効活用をすすめ、計画研究での有用化合物のスケールアップ合成に展開する。
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Research Products
(9 results)