2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Chemoselective Catalytic Oxidation Accelerated by the Use of Electroanalysis and Capillary Electrophoresis-Mass Spectrometry
Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
21H05210
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹野 裕介 東北大学, 薬学研究科, 講師 (10636400)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | 酸化反応 / 化学選択性 / サイクリックボルタンメトリー / キャピラリー電気泳動―質量分析 / ニトロキシルラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
トリエチルアミンと電子求引基をもつアザアダマンタン型ニトロキシルラジカルをモデル基質として、サイクリックボルタンメトリーを用いた反応解析を行った。その結果、触媒的な酸化反応を示唆する電流が発生することが明らかとなった。 サイクリックボルタンメトリーは生成物に関する情報を与えないため、トリエチルアミンに対して電子求引基をもつアザアダマンタン型のオキソアンモニウム塩を化学量論量作用させて、生成物をキャピラリー電気泳動―質量分析を用いて評価した。その結果、第三級アミンの酸化的脱アルキル化反応が進行することが明らかとなった。 上記反応の合成化学的有用性を明らかにする目的で、化学量論量のオキソアンモニウム塩を用いる第三級アミンの酸化的脱アルキル化反応の検討を行った。大量に調製可能なオキソアンモニウム塩を用いて、常温、緩衝液中という穏和な条件で、様々な第三級アミンの酸化的脱アルキル化反応が進行することを明らかにした。基質適用性の検討の結果、ベンジル基に優先してアルキル基が切断されるという興味深い化学選択性に関する知見が得られた。 上記反応を触媒的反応に展開した。これまでに研究代表者らが開発したニトロキシルラジカル触媒的アルコール酸化反応を基盤とした検討の結果、常温、常圧の酸素をバルク酸化剤として用いる条件で第三級アミンの酸化的脱アルキル化反応が進行することを明らかにした。 また、ヒドラジルラジカル触媒の開発については、触媒前駆体であるヒドラジンのグラムスケール合成法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アミン酸化については、第三級アミンの酸化的脱アルキル化反応が進行する条件を開発した。また、反応の化学選択性に関する興味深い知見を得た。 ヒドラジルラジカル触媒の開発については、触媒前駆体であるヒドラジンのグラムスケール合成法を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
第三級アミンの酸化的脱アルキル化反応について、2年目となるR4年度は触媒的反応の基質適用性の検討を行う。特に、数種のアルカロイド誘導体に本反応を適用して、その有用性を実証する。並行して、A01班大嶋との共同研究により官能基評価キットを用いた収率予測システムの開発を行い、実験で得られた基質適用性の結果とすり合わせて収率予測システムの質を向上させる。 ヒドラジルラジカル触媒の開発について、R4年度は活性種の安定な発生と単離、および反応開発を行う。 A03班宮尾との共同研究により、ニトロキシルラジカル触媒を用いるアルコール酸化反応の収率予測システムの開発を行う。
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Research Products
(7 results)