2021 Fiscal Year Annual Research Report
光ラジカル反応のデジタル制御に向けた反応リアクターの開発
Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
21H05219
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
矢島 知子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10302994)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | 可視光反応 / フロー合成 / ペルフルオロアルキル / メタルフリー |
Outline of Annual Research Achievements |
高効率的な光ラジカル反応の開発手法の確立を目指し、フロー反応リアクターの開発を行い、モジュール化することにより、これまでバッチで行われてきた反応が容易にフローへと変換可能とすることを目指す本研究は、今年度、光フローシステムを構築し、アルデヒドエナミンに対する可視光反応についてそのフロー化の検討を行った。 まずは、我々の研究室で行ってきた反応である紫外光を用いたデセンへのヨウ化ペルフルオロヘキシル化を用いて、光フローシステムの構築を行った。その結果、光反応に有効な反応システムを構築することができた。 そこで次に可視光反応へと適用した。これまでバッチ反応で行っていたα位が2級のアルデヒドに対する反応について、フロー反応を適用した。光源、流速、試薬の当量数をはじめとする様々な反応条件を変えて検討した結果、これまでバッチ反応では、エナミンを生成する際に添加するアミンの生成物であるフルオロオレフィンのフッ素への求核置換反応が副反応としておこってしまっていたのに対して、高選択的、高収率で得られることを明らかにし、光フロー反応の有効性を示すことができた。 この反応開発を通して、光反応におけるフロー合成の有効な基盤装備を整えることができたことから、今後、基質の適用範囲の拡大、様々な反応への展開を行う。また、フロー反応の卓上フローNMR、フローIRを用いた分析に関する予備実験を行い、インライン分析に向けた準備をはじめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とするフロー合成法の開拓に向けて、初期検討を行い、α位が2級のアルデヒドに対するペルフルオロアルケニル化反応のフロー反応への変換を可能とすることができた。このことを通して、今後に向けた装置等の準備を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
α位が2級のアルデヒドに対するペルフルオロアルケニル化反応について、フロー合成に変換し、そのことにより、選択性が向上することを明らかとすることができた。今後は、基質の適用範囲の拡大など、よりその一般化に向けて検討を行う。さらに、反応自体についてもその種類を広げていく。特に、ガス状化合物であるヨウ化トリフルオロメチルを用いた反応についても検討を行い、そのインライン分析に向けた準備をはじめる。
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Research Products
(1 results)