2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
21H05222
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
武田 和宏 静岡大学, 工学部, 准教授 (60274502)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | machine learning / chemical reaction / optimization / knowledge aggregation |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度に構築を開始した機械学習(DeepLearning)用の高速大容量の開発環境をさらに充実するためにメモリ増強、記憶容量増強および並列計算用Graphic Processor Unit(GPU)追加を行った。なお、OSサポートが切れないように専門業者にてOSを更新した。この環境を用いた成果として10件(4件は国内会議、6件は国際会議)の学会発表を行った。さらに次年度6月にイタリアで開催される国際会議に投稿し、発表をアクセプトされた。 さらに2件の共同研究を継続した。本領域研究の計画班内において機械学習による基質選択性認識触媒の検討を始めており、触媒構造による基質選択性を予測したうえで、その予測結果を用いた触媒構造の提案の成果が査読あり論文として発表した。当該論文は雑誌のフロントカバーへの採用が決定した。また、もう1件の共同研究としてハロゲン化反応の収率予測およびその予測結果を改善し、拡張するための実験条件選定を行った。ここで開発した手法は必要実験数を劇的に低減できるとともに、実験できない外挿領域の実験データを高い信頼性での推算を可能とするものであり、1件の査読なしオープンアクセス論文で発表し、1件は査読あり論文としてアクセプトされた。さらに1件の論文を現在執筆中である。 また、一昨年度、静岡大学内に設立したプロジェクト研究所「ChemOS-DX研究所」でも継続的に活動した。 https://project-kenkyu.shizuoka.ac.jp/introduction-pj-labo/y2022/
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最初の実験系としてはフロー型のマイクロ波加熱反応器を用いた有機合成を対象として、複数反応条件の自動最適化を目指した。購入計画に基づき、まず計算環境として機械学習DeepLearning用開発環境を拡充した。申請段階ではクラウド型の環境を想定していたが、再度検討した結果オンプレミス環境を充実することとした。この環境を用いた成果として10件の学会発表を行った。 さらに共同研究として、計画班内において機械学習による基質選択性認識触媒の検討を始めており、触媒構造による基質選択性の予測およびその予測結果を用いた触媒構造の提案の成果は1件の査読あり論文として発表した。当該論文は雑誌のフロントカバーへの採用が決定した。また、もう一つの共同研究としてハロゲン化反応の収率予測およびその予測結果を改善し、拡張するための実験条件選定は1件の査読なしオープンアクセス論文で発表し、1件は査読あり論文としてアクセプトされた。さらに1件の論文を現在執筆中である。 また、一昨年度、計画班以外とも連携して進めていくために静岡大学内に設置したプロジェクト研究所「ChemOS-DX研究所」を通じて、静岡大学内外の産学研究開発者と協働した。
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Strategy for Future Research Activity |
計算環境を拡充するためにGPUおよびメモリを増強する。これにより、計算可能並列数を増やし、開発をさらに加速する。 一昨年度構築したフロー型のマイクロ波加熱反応器とオンライン測定器ReactIRを組み合わせたシステムにより有機合成反応の条件検討として、現在行っている予備実験から本実験に進める。 さらに共同研究として進めている機械学習による基質選択性認識触媒の検討をさらに進めるとともに、異なる反応系への応用を展開する。また、ハロゲン化反応の収率予測について、活性サイト特性の数値定量化の仕組みを使って実験できない外挿領域の収率予測の論文化を進める。さらに、最新の実験計画法とBayes最適化を融合させた新しい実験計画法を開発する。この手法では、最適条件に至るまでの実験回数を軽減させるとともに、最適条件の根拠を明確に提示することを目標とする。 また、一昨年度において静岡大学内に設立したプロジェクト研究所「ChemOS-DX研究所」のメンバーとの協働により本研究の推進を図る。
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