2021 Fiscal Year Annual Research Report
Adaptive circuit dynamics for operant learning of optimal behavior
Project Area | Census-based biomechanism of circuit construction and transition for adaptive brain functions |
Project/Area Number |
21H05242
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
礒村 宜和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00415077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 暢哉 関西学院大学, 文学部, 教授 (70465269)
苅部 冬紀 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60312279)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | オペラント学習 / げっ歯類 / 大脳皮質 / 大脳基底核 / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画では、げっ歯類の行動を最適化するオペラント学習を担う大脳皮質と大脳基底核の適応回路動態の仕組みを解明することを目指す。オペラント学習に関与する大脳皮質のPT型・IT型投射細胞と、それらの投射先である大脳基底核線条体の直接路・間接路投射細胞に注目し、マルチユニット記録や2光子イメージングで神経活動を計測した後に、単一細胞RNA-seq解析で各細胞の遺伝子発現プロファイルを決定し、適応回路の構成細胞の固有特性を明らかにする。その責任回路の因果性を光遺伝学的に検証したうえで理論的モデルにより作動原理を理解する。また幅広いオペラント学習の行動解析をおこなうとともに、大脳皮質-基底核の適応回路を支えるシナプス機能や可塑性の仕組みも解明する。 初年度、礒村(研究代表者)はラットのオペラント学習課題と神経活動計測のインビボ実験系を確立した。ラットには神経活動の計測のために頭部を固定した状態で、音や光を合図に前肢でレバーを操作すると報酬の水滴を得ることができる行動課題を学習させた。大脳皮質や大脳基底核にシリコンプローブを挿入し、神経細胞のスパイク活動を記録した。並行して、平理一郎(研究協力者)は光刺激系と2光子レーザー顕微鏡の構築を進めた。佐藤(分担者)はラットの援助行動やナビゲーション行動や触覚弁別行動を利用するオペラント学習課題を確立し、堀江班と連携してトランスクリプトーム解析の予備的検討を試みた。苅部(分担者)はホールセルパッチ記録と形態学的可視化を組み合わせて、ラットの大脳皮質や大脳基底核の神経回路を構成する神経細胞サブタイプとシナプス機能を解析した。 なお、世界的な半導体供給不足により、佐藤と苅部が調達を計画していた実験装置の納期が遅延したため、次年度に予算の一部を繰り越したが、その後、当初の計画内容を無事に完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は礒村(研究代表者)、佐藤(分担者)、苅部(分担者)ともに行動実験系や電気生理学的、形態学的実験系の確立を優先して取り組んだ。それぞれ予備的所見を得るところまで実験系の構築が進んでいる。世界的な半導体供給不足のため予算の一部を繰り越して実験装置の導入を次年度に持ち越したが、その後は当初の計画内容を無事に完了した。以上のことから、研究計画はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は初年度の下半期に開始した研究計画を基本的に継続する。礒村(研究代表者)はラットやマウスがオペラント学習課題を遂行中に、大脳皮質や大脳基底核を狙ってシリコンプローブを挿入し、神経細胞のスパイク活動を記録する。並行して、平理一郎(研究協力者)は光刺激系と2光子レーザー顕微鏡の機能を増強し、トランスクリプトーム解析系の導入も開始する。佐藤(分担者)はラットやマウスなどの援助行動やナビゲーション行動や触覚弁別行動を利用するオペラント学習課題の行動解析を進め、堀江班と連携したトランスクリプトーム解析を実施する。苅部(分担者)はホールセルパッチ記録と形態学的可視化を組み合わせ、ラットの大脳皮質や大脳基底核の神経回路を構成する神経細胞サブタイプとシナプス機能の解析をさらに詳細に進める。これらの研究活動から得られる研究成果は学会や研究会において報告する。
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Research Products
(22 results)