2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of comprehensive cell type census technology for adaptive neuronal circuits
Project Area | Census-based biomechanism of circuit construction and transition for adaptive brain functions |
Project/Area Number |
21H05245
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
郷 康広 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 特任准教授 (50377123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 愛 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00383290)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | シングルセル / オミックス解析 / 遺伝子発現 / 神経細胞 / 神経回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,生物の適応過程で外部からの入力に応じ動的に変容する回路構築・回路遷移メカニズムの基盤となる適応回路の同定とそれを担う細胞タイプを1細胞レベルでセンサスし,適応機能の構築と遷移のバイオメカニズムの実体に迫ることを目的とする.そのために,①高出力オミックス解析による数十万細胞の細胞タイプセンサス,②高感度オミックス解析による世界最高感度の遺伝子検出による細胞タイプセンサス,③完全長オミックス解析によるノンコーディングRNA,エンハンサーRNA,スプライシングRNAなどの網羅的RNA種センサス,④多階層オミックス解析による回路・細胞活動・遺伝子発現同時センサス,⑤空間オミックス解析による細胞分布センサス,の5次元細胞センサス技術開発を行うとともに領域内連携を推進する.これらセンサス技術開発を通じて,外部刺激に適応する回路動態の設計原理の解明に挑む. 令和3年度は,上記の目標のうち,ハイスループットオミックス解析プラットフォーム(10xGenomics社Chromium Xシステム)や周辺機器の導入,情報解析による多サンプル化とハイスループット化に関する条件検討により,高出力1細胞RNA-seq解析を推進する実験・解析環境を構築した.また,生体脳組織から高品質な細胞を調整するための実験条件の最適化を行い,プレプリントとして公表した(Shima et al. (2022) bioRxiv DOI: 10.1101/2022.02.13.480207).さらに,領域内連携として,多階層オミックス解析および空間オミックス解析手法の予備実験を開始し,実験の最適化と高度化を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の郷班では,1細胞遺伝子発現解析に用いる解析細胞数のハイスループット化のための解析環境を整備した.具体的には,総括班予算で1細胞解析プラットフォーム(10xGenomics社Chromium Xシステム)を導入し,運用を開始した.また,1細胞解析用ライブラリの作成と品質チェックのための周辺機器(ハイスループット電気泳動システム,微量分注機)を整備するとともに,大規模データ解析用にワークステーションを導入・整備した.実験に関しては,細胞分布オミクスと細胞活動オミクスのために,1細胞発現解析のハイスループット化を行った.具体的には,サンプル間・実験間のbatch effectの低減化のための 多サンプル(同時処理)化とハイスループット化に関する条件検討をマウス,マーモセット,およびヒトのサンプルを対象として検証した.その結果,最大9個体に由来する細胞もしくは細胞核を事前の標識なしにプール(多サンプル化)した場合でも,ゲノムの変異情報を利用することで,それぞれの細胞もしくは細胞核の由来する個体を正確に同定できることを明らかにした.小林班との領域内連携研究としてラットの学習の過程で変遷する神経回路を担う分子実態を明らかにするための遺伝子発現解析を開始した.また,佐々木班との領域内連携研究としてin vivo Patch-seqの大規模化のための条件検討を開始した. 二階堂班では,マウス成体脳を用いた1細胞調整に関する条件検討を行った.複数のプロトコルの中で,生細胞分散,細胞核調整,固定条件などに関して条件検討を行い,プレプリントとして公表した(Shima et al. (2022) bioRxiv DOI: 10.1101/2022.02.13.480207).
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Strategy for Future Research Activity |
郷班では,令和3年度に導入したハイスループット型1細胞解析プラットフォーム(10xGenomics社Chromium Xシステム)の運用を本格化させるとともに,複数サンプルのゲノム変異情報を加味した同時処理化の実験・解析パイプラインをさらに高度化し領域内の連携研究に活用する.この高度化によって,1度の実験で50万を超える細胞の遺伝子発現およびクロマチン動態に関するデータの取得が可能になる.また,遺伝子発現に加えて細胞活動や神経回路を同時計測するためのマルチオミックス解析手法の開発・予備実験を行う.領域内連携として,小林班とのラット線条体におけるRNA-seqおよびsingle-cell RNA-seqの実験と解析,佐々木班とのin vivo Patch-seqの大規模化に関して,連携を進める. 二階堂班では,プレートベースの高感度型1細胞発現解析プラットフォームを,高感度を維持したままドロップレット型プラットフォームへ移植させることによりスループットの向上を図るための,実験の最適化と高度化を行う.
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] ノウサギ属における冬季白化/非白化の遺伝基盤と収斂進化2021
Author(s)
木下豪太, 布目三夫, 郷康広, 牧野能士, 辰本将司, Alexey P KRYUKOV, Sang-Hoon HAN, Irina KARTAVTSEVA, 永野惇,山田文雄, 井鷺裕司,北野潤, 鈴木仁
Organizer
日本進化学会第23回東京大会
Int'l Joint Research
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[Book] ヒトゲノム事典2021
Author(s)
郷康広(分担執筆),井ノ上逸朗, 今西規, 河村正二, 斎藤成也, 颯田葉子, 田嶋 敦(共同編集)
Total Pages
448
Publisher
一色出版
ISBN
978-4-910389-12-7
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