2023 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-scale in-cell cryo-electron tomography and its application to epithelium
Project Area | New cross-scale biology |
Project/Area Number |
21H05248
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 雅英 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (80272425)
|
Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
|
Keywords | 上皮 / クライオ電子線トモグラフィー / 繊毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、クライオ電子線トモグラフィーを用い上皮細胞の形態形成のメカニズムを分子レベルから解明する。上皮細胞は、外界と臓器の「インターフェー ス」に当たり、臓器の機能に応じて様々な形態を取る。本提案では、これまで我々が研究してきた繊毛に加え、小腸の微絨毛や耳の不動毛など、これまで全く未開拓であった脊椎動物の上皮組織を対象とする。この目的のために、クライオ電子顕微鏡用の新しい細胞内標識「形状ラベル」を開発・応用することで、上皮の 形態形成のメカニズムを解明する。 本年度は、繊毛の構造解析、特にゼブラフィッシュを用いてカルシウムによる繊毛の制御機構、クラミドモナスを用いて中心対微小管の構造を解明した結果を論文として投稿した。前者はeLifeにて出版され、また、後者はrevision中である。ゼブラフィッシュを用いたカルシウムによる影響については、mutantを用いて生理学的な解析を行い、続報として投稿した。この論文も、現在revision中である。また、公募班の小田グループと共同で、膀胱上皮の構造解析と繊毛に於けるチューブリンC末端修飾に関する論文を出版した。計画班の稲葉グループとは、ゴルジ体で働く亜鉛トランスポーターの構造解析の論文を出版した。 さらに上皮に関する構造解析を行うためにFocused-Ion-Beamを用いたラメラの作成技術をハイスループット化したので、それらを用いて2024年度は上皮の構造をクライオ電子線トモグラフィーを用いて高解像度で解析していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
概要・実績にあるように、2023年度中に7報の論文を出版できたこと、さらに現在reivision中の論文も数多くある事から、計画以上に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
新たに開発しつつある形状ラベルや、ハイスループット化したFIB-SEMを用いて新たな上皮構造の解明を進める。また、2024年度に加わった公募班とも積極的に共同研究を進め、論文として投稿する。
|