2022 Fiscal Year Annual Research Report
場所細胞・格子細胞活動の計測と操作による階層ナビゲーションの機能解明
Project Area | Hierarchical Bio-Navigation Integrating Cyber-Physical Space |
Project/Area Number |
21H05296
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
高橋 晋 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20510960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧口 祐也 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00584153)
井出 薫 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (90806671)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | 海馬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マウス・ラットを対象とした室内実験と、野生動物を対象とした野外実験を実施した。 室内実験では、独自開発の再構成可能な迷路を活用し、ナビゲーションの要となる時間についての海馬情報表現や、明示的な時間認知と海馬の関与を調べた。その結果、海馬CA1が明示的な時間の保持に重要な役割を持つことが示唆され、またそれが海馬神経細胞の活動頻度により表現されていることが示唆された。加えて、ナビゲーションの目的地を変更する際に海馬がどのように作用するかを調べた結果、ドーパミン作動性ニューロンから海馬への入力により目的地の変更が促進されることが示唆された。また、昨年度に構築した自動変形迷路の運用を開始し、モーショントラッキングと、超音波非接触刺激装置を組み合わせるシステムの構築を行った。 多個体インタラクションについては、複数のマウスがインタラクションする際に海馬の場所細胞の場所受容野がどのように変化するのかを調べ、その変化と個体間インタラクションの強度との関連性について探索した。 野外実験では、渡り鳥の内側外套にある神経細胞の活動と磁場との関連を調べた。渡り鳥の周辺磁場に介入しながら、neuropixels probeを使って神経細胞活動を計測することで、磁場と神経細胞活動との因果関係を示すデータを取得することができた。サンプル個体数に制限があるため、来年度に行う追加実験と合わせた後に論文として報告する予定である。サケ科魚類の終脳から神経細胞活動を記録する実験を実施した。新たに装置固定用の手術法を工夫することで麻酔時間を短縮することができた。 また、計画研究牧野、公募研究坂本と共同し、小型磁場介入装置の開発に取り組んだ。計画研究前川とは、特徴的な移動行動を自動的に惹起する手法の構築に取り組んだ。更に、公募研究坂本と共同して、ウミガメの脳神経活動に関する研究の模索を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、マウス・ラットを対象とした室内実験では、ナビゲーションに関する海馬神経細胞に関する知見や新たな計測・介入装置の開発が進展しており、野生動物を対象とした野外実験を実施についても、渡り鳥、サケ科魚類に関する研究が着実に進展している。更に、複数の計画研究との共同研究も進展しているため、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マウス・ラットを対象とした室内実験と、野生動物を対象とした野外実験について更に進展させ、学術雑誌での報告を目指す。 具体的には、室内実験では、自動変形迷路内にモーショントラッキングと超音波非接触刺激装置を備えた環境介入装置と、計画研究前川と共同して構築している特徴的な移動行動を自動的に惹起する手法を組み合わせることを計画している。更に、多個体インタラクションについても、場所受容野の変化を定量化し、論文誌上での発表を目指す。 野外実験では、倫理的な観点からサンプル個体数に制限しているが、今後の追加実験と合わせ論文として報告する。サケ科魚類に関しても磁場との関連などを追求する。
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Research Products
(11 results)