2022 Fiscal Year Annual Research Report
Prediction of forests that maximize carbon sequestration
Project Area | Digital biosphere: integrated biospheric science for mitigating global environment change |
Project/Area Number |
21H05313
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
彦坂 幸毅 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (10272006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嵐 淳 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究主席 (30421697)
小黒 芳生 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50845063)
平舘 俊太郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (60354099)
木庭 啓介 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (90311745)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | 炭素貯留 / 森林 / 物質循環 / 土壌炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
森林の炭素貯留量を決定する要因を明らかにするため、日本各地の森林にて植生調査、気象情報取得、土壌調査を行っている。この年度は、5月30日-6月1日に福岡県2ヶ所と大分県1ヶ所、8月29日-9月4日に宮崎県2ヶ所、9月25日-28日に四国4ヶ所、12月14日-16日に対馬1ヶ所で調査を行った。各地で深さ1mまで土壌を掘り、層5cmごとにサンプリングを行った。土壌中に含まれる炭素量、放射性同位体14Cの割合、各種有機化合物の含量、バクテリアのメタゲノムなどを解析する。また、土壌を掘った部分の周囲の植生調査を行った。これらの結果は現在解析中である。 環境省の事業モニタリング1000サイトで得られたデータ、サイトが位置する環境要因のデータ、サイトに生育する植物形質のデータを取得し、森林地上部(幹)の貯蔵炭素量とその決定要因を解析した。様々な気象情報、植物情報、土壌情報を説明変数、地上部現存量を目的変数とした解析を行った結果、気温、構成種の葉面積あたり葉重、スギが優占種であるか否かが地上部現存量の決定要因であることが明らかとなった。 安定同位体13Cと15Nでラベルした枯葉の分解実験を行うため、ラベル植物の育成を行った。内部のCO2濃度をリアルタイムでモニターできるアクリル製のチャンバーを作製した。このチャンバーを人工気象内に設置し、植物を半密閉環境で、13CO2と15NO3-を与えて落葉広葉樹コナラを育成した。約半年間の育成を行い、約100枚の枯葉を得た。引き続き、常緑広葉樹アラカシの育成を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヘリウムガスの供給不足による安定同位体比測定の遅れが生じているものの、研究全体としては順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り研究を進める。地上部炭素量については、現存量を説明する論文をまとめ、投稿する。さらに、新規参入・成長・脂肪を導入した動的モデルの作成を始める。土壌炭素量の情報も蓄積しつつあり、モデル化を進める。ラベルした枯葉はコナラ・アラカシとも作製を終えたため、分解実験を行う。
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