2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Replacement of Neanderthals by Homo sapiens: testing evolutionary models of learning |
Project/Area Number |
22101007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
田邊 宏樹 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 助教 (20414021)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定藤 規弘 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (00273003)
三浦 直樹 高知工科大学, 工学部, 講師 (70400463)
|
Keywords | 機能的磁気共鳴画像法 / 化石脳 / 古神経学 / 計算論的解剖学 / ネアンデルタール / サピエンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、作業仮説である旧人・新人の学習能力差を化石脳の比較解剖学・古神経学的証拠から検証することである。研究の二本柱のうち、現代人脳の学習機能地図作成に関しては、今年度は「社会学習」の例としての模倣に関わる神経基盤を、特に行為内意図(行為表象)と事前意図という観点から行った。実験の結果、動作遂行と動作観察のいずれでも賦活化される領域である頭頂小葉を介して運動系から感覚的な運動表象を担う後部上側頭溝への結合性(順モデル)が運動遂行によって増強する一方で、感覚系から運動指令の表象を担う腹側運動前野(PMv)への結合性(逆モデル)が動作観察時によって増強されることが観察された。この結果は行為表象が主として運動系に埋めこまれていることを意味し、運動系が他者との相互作用を通じて外界を探査するためのプローブとして機能することを示唆するものである。また、学習行動の熟練過程を探るため、石器制作熟練者が反復ルヴァロア技報を用いて石器制作する際の身体動作をモーションキャプチャにより計測し、運動情報の力学的解析を行った。行動の熟練過程のメルクマールが得られれば、それを手がかりにその神経基盤を探ることが出来るため、この行動解析は重要である。一方機能地図の化石脳への写像については、まず現代人の頭部MRIを用いて頭蓋と脳の関係についての検討を行った。その結果、脳機能イメージング研究で用いられている脳の空間的標準化手法の1つであるDARTELが適応出来ることが分かり、その応用の試みを開始した。現在鋭意解析をしているところであるが、この手法の有効性が示されれば、今までより高精度の脳形状推定が出来、古人類学へ与えるインパクトは大きい。
|
Research Products
(4 results)