Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾中 晋 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40194576)
友田 陽 茨城大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90007782)
田中 將己 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40452809)
紙川 尚也 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30530894)
兼子 佳久 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40283098)
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Research Abstract |
純金属及び合金のバルクナノメタルの力学特性と変形機構について考察した,実験的には,種々の温度やひずみ速度による引張試験,疲労試験,破壊試験などを系統的に遂行するとともに,変形中のその場観察も行って,変形による内部組織の発達過程を調べた. 超微細粒Alに繰返し変形を加えることで形成された転位組織の安定性を,その後の引張変形に伴う転位組織の変化から議論した.また,Co-Fe粒子が分散したCu合金超微細粒組織の焼鈍に伴う変化を調べ,転位上に析出した粒子が超微細結晶粒組織の熱的安定性向上に寄与することを見出した.超微細粒電解析出鉄における特異な塑性変形機構を集合組織,結晶粒径,粒界性格,転位運動(転位密度変化),粒応力,水素挙動に関する実験結果から総合的に考察した.ECAP加工により形成されたナノ双晶を有するステンレス鋼では500℃の焼鈍までは加工時の硬さを保つことを示し,ナノ双晶構造から構成される微細結晶粒材料の特異性を明らかにした.微細結晶粒組織を持つ鋼を試料とした実験を行い,バルクナノメタルにおける低温脆性向上の原因が,転位源として働き得る粒界の増加によって説明できることを示した.さらに,繰返しチャンネルダイ圧縮接合を考案し,この超強加工プロセスにより厚肉角棒材の結晶粒超微細化と高強度化が実現可能であることを実証した. 上記のような多面的かつ系統的な実験によって明らかになった力学特性及び得られたデータを相互に比較検討し,普遍性や特殊性を念頭に置いて,実験結果の総合的な整理を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
塑性変形挙動解明のための各種力学試験,疲労と破壊に関する系統的な研究,多様な手法での組織観察(特に,変形中の試料のその場観察)が順調に進み,実験結果と解析結果を基にしてのバルクナノメタルにおける力学特性の解明と変形理論の構築を進めるために十分な状況であるため.
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