2012 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanical Properties and Deformation Mechanisms of Bulk Nanostructured Metals
Project Area | Bulk Nanostructured Metals -New Metallurgy of Novel Structural Materials |
Project/Area Number |
22102006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 雅治 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (50161120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾中 晋 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (40194576)
友田 陽 茨城大学, 理工学研究科, 教授 (90007782)
田中 將己 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40452809)
紙川 尚也 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30530894)
兼子 佳久 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40283098)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 構造材料 / 結晶粒界 / 結晶欠陥 / 力学物性 / 物性実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度は,バルクナノメタルにおける塑性変形・破壊挙動解明のための各種力学試験,疲労と破壊に関する系統的な研究,多様な手法での組織観察を継続,発展させて行った.研究体制としては研究代表者と5名の研究分担者さらに2名の連携研究者が参加し,バルクナノメタルの力学物性と組織変化に関連した事項を定量的に評価,解明した.得られた成果の具体的な例を以下に示す. (1) 超微細結晶粒(UFG)Alにおける疲労転位組織の引張変形に対する安定性について考察した.UFG-Alと粗大結晶粒(CG)を持つAlに繰り返し変形を行い,それらの中に疲労変形組織を形成させた.これら二種類のAl疲労材に引張変形を加えると,CG-Alの疲労組織が引張変形後も安定に存在し続けたのに対し,UFG-Al疲労組織は引張変形後には消失することがわかった. (2) Cu基 UFG 合金における微小析出粒子による超微細結晶粒の組織安定化について考察した.平均粒径16nmのbcc Co-Fe微小析出粒子が分散したCu基合金にECAP加工を加え,微小粒子が分散したUFG組織を作製した.UFG組織は一般に熱的に不安定とされる.しかし,微小な析出粒子の分散が,UFG組織の熱的安定性を大きく向上させることがわかった.さらに,析出粒子分散UFG材を適当な条件で焼鈍すると超微細結晶粒と粗大結晶粒の混在組織が得られ,このような組織を持つ材料には高強度と高延性が同時に発現することがわかった. 上記に加え,(3) 超強加工でステンレス鋼に生成するナノ双晶組織が力学特性に及ぼす影響,(4) IF 鋼における脆性ー延性遷移挙動の結晶粒径依存性,(5) 金型鍛造によるAl厚肉試験片の超強加工と結晶粒の超微細化,(6) 電析法により作製したNiナノ結晶材料の変形機構,などについて種々の新知見も得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
塑性変形挙動解明のための各種力学試験,疲労と破壊に関する系統的な研究は順調に進んでいる.さらに,多様な手法での組織観察(特に,変形中の試料のその場観察)も当初の計画以上に進んでいて,当初計画より多くの新知見も得られている.現状が,実験結果と解析結果を基にしてのバルクナノメタルにおける力学特性の解明と変形理論の構築を進めるために十分な状況となっているため,上記の区分を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの方針を推し進め,今後とも,精力的に研究を進めていきたい.
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Research Products
(30 results)