2014 Fiscal Year Annual Research Report
内部欠陥構造発展の大規模計算によるバルクナノメタルの力学特性解析
Project Area | Bulk Nanostructured Metals -New Metallurgy of Novel Structural Materials |
Project/Area Number |
22102007
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
下川 智嗣 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (40361977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 吉輝 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70433737)
都留 智仁 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究職 (80455295)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 力学特性 / 計算力学 / ナノ材料 / 粒界 / 原子シミュレーション / 結晶塑性解析 / 転位 / 破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の平成26年度は,昨年度までに得られた成果を踏まえバルクナノメタルの変形・破壊特性に対する粒内転位源と粒界転位源の関係に注目し,以下の事項について研究を進めた. 1)有効な転位源として機能する粒界に存在する界面亀裂近傍の塑性現象を,線形破壊力学理論と原子シミュレーションにより調査した.亀裂先端前方の粒界から転位が放出する現象をモデル化し,その臨界応力拡大係数を導出した. 2)大規模原子シミュレーションを用いて,BNMが示す特異な力学特性の検討を行った. 初期転位密度が降伏点降下現象に強く影響を与え,また,粒毎の応力分布に不均質性が強く表れることで塑性異方性が生じる要因となることがわかった.同様に,Bauschinger効果は順方向と逆方向または繰り返し負荷による転位密度の変化によって生じると考えられる.Alでは引張り・圧縮異方性が顕著になり,これはすべり面方向の垂直応力にSFEが大きく影響されることを見出した. 3)転位源および転位源としての結晶粒界の情報を考慮した結晶塑性モデルに破壊条件を導入し,有限要素解析によって引張り試験における多結晶アルミニウムの破断に対する転位挙動の影響を考察した.破壊条件式を適用した結晶塑性有限要素解析を行った結果,亀裂の進展開始には初期転位密度が影響することがわかった.また,亀裂進展時には切欠き周辺で集中的に転位が増加し,ひずみの増加に伴い亀裂先端だけでなく試験片全体的に転位密度が増加することがわかった. 4)複数の粒界構造をもつ結晶系における間欠的な塑性変形の統計性を,分子動力学シミュレーションによって明らかにした.結晶が粒界構造を含んでいる場合においてもベキ的な間欠性は残存するが,その変形の最大規模は結晶粒サイズと強い相関をもち,塑性の雪崩的な伝搬が粒界によって極めて強く抑制されることが確かめられた.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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