2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries |
Project/Area Number |
22103002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前野 悦輝 京都大学, 理学研究科, 教授 (80181600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏谷 聡 (独)産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, グループ長 (40356770)
赤崎 達志 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 主幹研究員 (10393779)
浅野 泰寛 北海道大学, 工学研究院, 講師 (20271637)
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Keywords | トポロジー / 超伝導材料・素子 / 低温物性 / スピン三重項超伝導 / 奇周波数超伝導 |
Research Abstract |
1.Sr_2RuO_4のバルク超伝導体の未解決現象解明(前野、石田、米澤):一軸性圧力効果を活用し、Sr_2RuO_4純粋系で超伝導転移温度がTc=1.5Kから3Kにまで倍増することを明らかにした。X線ラウエ回折装置を導入して試料の結晶軸を精度よく定めたうえでの測定を進める体制を整えた。 2.Sr_2RuO_4の微小単結晶を用いた新現象探索(柏谷、前野、米澤):超伝導における新奇なトポロジカル量子現象の代表例と位置づけられる以下の二つの現象について大きな進展を遂げた。 (2-1)Sr_2RuO_4と金を用いたSIN接合のゼロバイアス・コンダクタンスピークの詳しい測定と解析により、カイラル・エッジ状態密度の存在を抽出することに成功した。これには、新たに導入したスパッタ装置を有効に用いた。 (2-2)Sr_2RuO_4微小リングのトルク測定から、半磁束量子(Half Quantum Vortex ; HQV)が誘起されることを示す結果を得て、サイエンス誌に発表した。 3.Sr_2RuO_4の共晶などの接合系での新現象研究(前野、寺嶋、柏谷、浅野):Sr_2RuO_4-Ru共晶と従来型の超伝導体との超伝導接合素子で、カイラルp波状態のトポロジカルな特徴を顕在化させる量子干渉効果を再現性良く観測した。成果は論文にまとめて投稿中である。 4.強磁性体を含む超伝導接合系での奇周波数超伝導状態や逆近接効果の研究(赤崎、柏谷、浅野):強磁性半導体とs波超伝導体の接合で、強磁性体への奇周波数スピン三重項状態の誘起やs波超伝導体への逆近接効果の研究を理論・実験両面から進めた。 5.トポロジカル超伝導接合の理論(浅野):トポロジカル超伝導同士の接合において、マヨラナ・フェルミオンに特有の量子伝導現象を理論的に明らかにし、成果をPhys.Rev.Lett.誌に発表した。 6.A01班内の集中連携研究会を7月に東京で開催し、研究目的と実施計画について共通認識を深めた。
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Research Products
(21 results)