2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries |
Project/Area Number |
22103004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鄭 国慶 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50231444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90371286)
稲田 佳彦 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80273572)
野島 勉 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80222199)
上野 和紀 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (10396509)
獅子堂 達也 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教 (20363046)
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Keywords | 空間反転対称性の破れ / 超伝導 / トポロジカル絶縁体 / 電気二重層トランジスタ |
Research Abstract |
(1)空間反転対称性の破れた超伝導体Li2(Pt1-xPdx)3Bの作製しNMR測定を行い、スピン軌道相互作用の変化と超伝導状態の変遷を調べた。その結果、超伝導対称性がx=0.8を境に急激に変わることを明らかにした。すなわち、その背後にある原因はPt(Pd)B6八面体の歪みがx>0.8では急激に増大することにあることを見出した。この歪みの増大がスピン軌道相互作用を増大させた原因であり、スピン三重項混成の主原因であることを明らかにした。 (2)タリウム系トポロジカル絶縁体のSe-S固溶物質について、表面状態にこれまでの知見で説明できないギャップが開くことを明らかにした。 (3)Bi2Te2Seという化合物ではバルク絶縁性が顕著な試料が得られ、さらにBi2-xSbxTe3-ySeyという一連の化合物の中で系統的に組成を変化させることでバルク絶縁性と表面状態のディラック錐の位置を最適化できることを発見した。これまでで最も超伝導特性の良いCuxBi2Se3の単結晶作製の方法を確立し、ソフトポイントコンタクト法によりゼロバイアスコンダクタンスピークを観測した。この発見により、この物質がトポロジカル超伝導体である可能性が高いことがわかった。 (5)電気二重層トランジスタ構造を用いたSrTiO3単結晶(100)表面の電界誘起表面超伝導の転移温度や超伝導膜厚等のキャリア数依存性において、バルク超伝度とは異なる自己組織化機能と呼べる特微的な現象があることを見出した。 (6)電気二重層トランジスタ構造によるキャリア制御技術を、SrTiO3と同様な結晶構造をもつ銅酸化物超伝導体のYBa2Cu3Oy系にも適用し、この系の薄膜試料を絶縁体状態から超伝導状態へ可逆的に転移させることに成功した。
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Research Products
(5 results)