2014 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理系励起状態の多体論と高転移温度超伝導物質デザイン
Project Area | Materials Design through Computics: Complex Correlation and Non-equilibrium Dynamics |
Project/Area Number |
22104011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 康民 東京大学, 物性研究所, 教授 (00126103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前園 涼 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (40354146)
白井 光雲 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (60178647)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 物性理論 / 計算物理 / 超伝導材料・素子 / 強相関電子系 / 金属物性 / 第一原理計算 / 超伝導 / 転移温度 |
Outline of Annual Research Achievements |
低密度電子ガス系は低密度金属の普遍模型であるため、その電子物性は興味深く、様々な角度から研究を進めた。今年度は運動量分布関数n(p)が満たすべき新たな総和則(運動エネルギーの揺らぎに関するもの)を発見し、それを満たす高精度のn(p)を求めた。その結果、電子密度径数rsが約20でn(p)に質的な変化が現れると共にフェルミ面での電子の有効質量が異常に軽くなる「軽フェルミオン問題」とも呼ぶべき状況を見出した(高田)。また、スピン電荷分離した1次元系での新概念である「ラッティンジャー流体中の擬電子」について、より普遍的な見地から探求した(前橋・高田)。
不純物点電荷+Zeに対する金属遮蔽においてデバイ・ヒュッケル理論以来の誘電電荷共鳴という概念が一般的であるが、例えばZ=1の陽子不純物の場合、この電荷共鳴と近藤スピン共鳴が競合することを見出した。特に金属密度rsが2を超える低密度系では後者が優勢で、これは金属遮蔽におけるパラダイムシフトの発見といえる(高田・前園・吉澤)。これに関連して、DFTにおける交換相関エネルギー汎関数Exc[n(r)]の探索を行っているが、今年度はLDAを超えてPBE版のGGAでカスプ定理を常に満たすような新汎関数形を提案した(高田・吉澤)。
超伝導機構の解明に関連して、東北大の谷垣グループで今年度発見されたBaC6での超伝導(Tc=65mK)の機構を以前から提唱している「金属挿入黒鉛系における超伝導の標準模型」の立場から矛盾なく説明した(高田・櫻井)。また、強誘電量子相転移と超伝導の絡みの観点から注目されるSTO系において、ESPCIパリテクのBehniaグループのTcと電子密度の相関に関する実験結果をよく再現した(櫻井・高田)。また、炭素と並んでボロン系における軽元素系高温超伝導体の開発という観点からB12C2やB12(CBC)の物性を詳しく調べた(白井)。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)