2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
22105002
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茶谷 直人 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30171953)
|
Keywords | 炭素-水素結合活性化 / 炭素-炭素結合活性化 / 炭素-酸素合活性化 / 飽和炭素-水素結合 / カルボニル化 / ボリル化 |
Research Abstract |
結合エネルギーが大きいため切断が困難な炭素結合の新しい活性化法の開拓,あるいは、今までとは違った官能基の活性化法の開拓は,新しい物質変換反応の開発という有機合成化学本来の新しい物質を安定して供給するという使命の観点だけではなく,環境保全の観点からも緊急を要する研究課題である。本研究では、不活性な炭素の結合の新しい活性化法を開拓し、有機合成化学反応に資する新しい触媒反応への展開を目的とした。 2-ピリジニルメチルアミノ基を配向基とする、ルテニウムを触媒とする芳香族アミド類のオルト位炭素-水素結合のカルボニル化反応をすでに報告している。今回、この配向基を用いると全く活性化されていない脂肪族アミドのsp^3炭素-水素結合のカルボニル化も進行することを見出した。反応の位置選択性はきわめて高く、メチレン炭素-水素結合がベンゼン環やメトキシ基で活性化されていてもメチル基の炭素-水素結合しか反応しない。また、官能基許容性も高く、臭素があっても損なわれないことから、合成化学的に有用であると期待される。 同じ配向基を利用すると芳香アミド類へのアセチレンの酸化的挿入反応を見出すことができた。6員環アミドが選択的に得られる。非対称アセチレンを用いても、その位置選択性は高い。ニッケル錯体のみが触媒として働く。 さらに、ロジウムを触媒とする炭素-シアノ結合のジボロンを用いたボリル化を反応の開発にも成功した。この反応の官能基許容性も高い。
|