2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
22105003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 佳亮 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60346088)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 協働金属触媒 / 遷移金属 / ルイス酸 / 不活性結合活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
持続可能社会の実現には,既存の有機合成がもたらす環境負荷を大幅に低減する必要があるが,既知反応の改良には限界があり,全く新しい概念に基づく新しい有機合成反応の創出が急務である.そのような背景から申請者は,ニッケル触媒とルイス酸触媒を複合的に利用して,その協働作用によって初めて達成できる不活性結合の新規変換反応をこれまでに多数開発してきた.本研究では,これを発展させ,低原子価遷移金属と高原子価金属(ルイス酸性金属)を複合的に利用し,その協働触媒作用によってC(sp3)-H, C-C, C-N, C-O結合を活性化することによって,有機分子を事前に官能基化することなく環化付加反応や付加反応,閉環反応,カップリング反応を行なう新しいC-C結合形成手法の開発を行なっている. 平成26年度は,新しい遷移金属/ルイス酸協働触媒系として,イリジウム/アルミニウムルイス酸協働触媒によるピリジンの4位選択的ボリル化反応を開発した。多置換ピリジンは,医農薬から光電子材料までさまざまな有用化合物に見られる構造であるが,ピリジン環への直截的な置換基導入は,ベンゼン環のそれと比べるとあまり容易ではない。例えば,多置換ベンゼンの合成に有用なFriedel–Crafts反応など芳香族求電子置換反応を,芳香環が電子不足なピリジンにそのまま適用することは難しい。ボリル基は,さまざまな官能基に容易に変換できるため,イリジウム触媒によるピリジンのC–Hボリル化はきわめて有用な有機合成反応であるが,位置選択性の制御が難しく,無置換ピリジンの反応では,4位および3位ボリル化体の混合物(33:67)を生じると報告されていた。本研究成果は,多置換ピリジンの一般的合成手法として広く利用される可能性を有している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)