2010 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-水素結合の直截的酸素化反応をめざした金属オキソ活性種の創出
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
22105007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊東 忍 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30184659)
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Keywords | 酸素化反応 / 金属オキソ種 / C-H結合の活性化 / 人工金属酵素 / ジオール化反応 / オスミウム錯体 / 銅錯体 / 活性酸素錯体 |
Research Abstract |
(1)遷移金属錯体を触媒とする酸素化反応系の開発:銅、ニッケル、および、オスミウム錯体を触媒とする脂肪族および芳香族化合物の酸素化反応系について検討を行った。特に、銅錯体を用いたアルカン水酸化反応や、オスミウム錯体を触媒とする過酸化水素を用いたオレフィンのジオール化反応では、これまでにはない選択性と触媒回転数を達成することに成功した。また、各反応の反応機構についても検討し、その詳細を明らかにすることが出来た。 (2)モリブデンおよびタングステンの高原子価オキソ/スルフィド錯体の創出と反応性:モリブデンやタングステン酵素に含まれる活性種をモデル化した高原子価オキソ/スルフィド錯体の合成法を確立するとともに、外部基質との反応性について検討った。また、配位子の効果などについて系統的に検討し、水を酸素源とする直截的酸素導入法を開発するために必要な基礎的情報を収集することが出来た。 (3)遷移金属オキソ種を含む人工金属酵素の創出:二核銅活性中心を有するチロシナーゼの新しい酵素活性の創出をめざして、遺伝子工学的に部位特異的変異導入を行い、それぞれの分光学的特性や反応性を明らかにした。さらに金属ラクタマーゼや炭酸脱水素酵素の活性中心をプラットホームとする新しい人工金属酵素の創出を試みた。
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Research Products
(6 results)