2014 Fiscal Year Annual Research Report
小分子活性化能をもつ高反応性金属錯体の合成と機能解明
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
22105008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川口 博之 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (20262850)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 低原子価錯体 / キレート配位子 / フェノキシド錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベンゼンの1,4位で2つのフェノキシド基を連結したp-ターフェノキシド配位子[OO]を用いた錯体合成を検討した。p-ターフェノキシド配位子[OO]はtrans-キレート型で金属中心に結合する。このとき、連結部である配位子骨格のベンゼン環部位が金属中心の近傍に存在する。金属-ベンゼン部位の相互作用を通して、反応活性な金属中心を安定化できると期待できる。本年度は、[OO]配位子を用い、5族線金属であるバナジウムおよびニオブ錯体の合成を行った。以下にその結果を記す。 塩化バナジウムVCl3(thf)3とLi2[OO]を反応させることにより、[OO]VCl(thf)2 (1)を得た。錯体1をKC8で還元することで[OO]V(thf)3 (2)が得られた。X線構造解析より、錯体1では[OO]配位子のベンゼン環部位と相互作用していない。一方、錯体2ではベンゼン環部位の2,3位の炭素部が相互作用している。 つぎに、ニオブ錯体の合成を行った。塩化ニオブNbCl5とLi2[OO]の反応では単離可能な生成物は得られなかった。アルキン錯体NbCl3(EtCCEt)にLi2[OO]を作用させることで[OO]NbCl(EtCCEt) (3)を得た。錯体3ではニオブ中心はベンゼン環部位と相互作用しておらず、反応過程で金属中心はアルキン配位子を保持している。続いて、錯体3にPhICl2を反応させると、アルキン配位子のクロリド配位子による置換が進行し、[OO]NbCl3 (4)が得られた。錯体4をKC8で還元することで、[OO]NbCl(thf)2 (5)が生成した。錯体5ではベンゼン環部位が4つの炭素で金属中心に結合している。 錯体2および5は低原子価種としての反応性が期待できる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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