2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Multi-scale air-sea interaction under the East-Asian monsoon: A "hot spot" in the climate system |
Project/Area Number |
22106007
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
川合 義美 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (40374897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須賀 利雄 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70211977)
谷本 陽一 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 教授 (00291568)
伊藤 進一 独立行政法人水産総合研究センター, 東北区水産研究所, グループ長 (00371790)
岡 英太郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (60360749)
植原 量行 東海大学, 海洋学部, 教授 (90371939)
小橋 史明 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (80377077)
富田 裕之 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 研究員 (10435844)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | 海洋物理・陸水学 / 自然現象観測・予測 / 気象学 / 気候変動 / 大気海洋相互作用 / 海面熱フラックス / 水温フロント / メソスケール |
Research Abstract |
本課題は日本東方の黒潮・親潮続流域において、主にメソ・短時間スケールでの大気と海洋の相互作用過程を現場観測で捉え、数値モデル研究者と連携しながらこの海域での大気海洋相互作用が気候場に与える影響等を明らかにすることを目的とする。平成25年度は、移行領域モード水および重い中央モード水の形成とそれに伴う生物地球化学的プロセス、亜寒帯前線が大気に与える影響などの解明を主目的として、4月に学術研究船「白鳳丸」による航海を実施した。また、晩冬の亜熱帯モード水形成域における大気海洋相互作用の実態解明のため2-3月に同様の航海を実施した。これにより、中央モード水形成域における海洋混合層の高解像度空間分布、及び亜熱帯モード水形成域における海洋混合層の形成過程を観測することができた。また、亜寒帯前線に対する冬季の大気応答を捉えた。 亜熱帯モード水の形成域である黒潮続流南方海域における上層塩分の季節および年々変動を過去の観測資料を用いて調べた。塩分収支解析を行った結果、晩冬から夏季にかけての塩分低下は海面蒸発の弱化に関係し、夏季から晩冬にかけての塩分上昇は混合層の季節発達に伴う亜表層高塩分水の取り込みに起因することが明らかになった。亜熱帯モード水と関係する冬季混合層の塩分には、顕著な十年規模変動が見られた。また、中央モード水形成とフロント・渦の関係解明のために過去の複数船舶観測データの解析を行い、結果を論文にまとめて投稿中である。 黒潮続流域における係留ブイの高時間解像度の海面熱フラックスデータを解析し、卓越する数日スケールの海上風変動に伴う海面フラックスと大気海洋変動について研究を行った。その結果、風向で分類した海上風イベントに対して、それぞれ平均して100W/m2程度の熱フラックス変動があり南風と北風イベントで異なる変動時間スケールを持つ事が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は年度当初の計画通り、4月に亜寒帯前線周辺で、2~3月に黒潮続流南側でそれぞれ学術研究船「白鳳丸」による大気・海洋集中観測を実施した。また7月には黒潮続流域で航空機と船舶との同時気象観測を行い、貴重な現場観測データを取得した。三陸沖の係留系観測においても無事にデータを回収することができた。一方、平成24年夏季に設置した新たな係留ブイは平成24年度末に係留索が切れて漂流するというトラブルが発生したため、予定より3か月早く観測を終了することとなった。係留ブイに関しては不可抗力のトラブルにより期待したデータを十分取得することができなかったが、それ以外の現場観測は計画通りの達成度であった。 平成24年度に行った梅雨期集中観測に関してはモデル研究者と連携して数値モデル実験を行い、成果を学会等で発表して論文にまとめ、平成26年度中に投稿できる見込みである。更にアンサンブルカルマンフィルタを用いた同化実験を行い結果を解析中である。このようにモデル・同化を担当する他班との連携は順調である。特に目立った遅れはない。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成26年度は大規模な観測は予定しておらず、主に平成25年度までに得られた観測データの解析を重点的に行い、成果としてまとめて学会やジャーナルに発表する。単に現場観測だけに留まらず、他班と連携して数値モデルの検証やモデル実験等と組み合わせて統合的な解析を行う。なお大規模な観測は実施しないが、夏季・梅雨期における黒潮の重要性がより明らかになってきた東シナ海に注目し、A01-2班と共同で再度東シナ海で観測航海を実施する。また6月にも黒潮続流域で補足的な観測を行う。 8月には海外の研究者を招いて領域全体でワークショップを開催し、残り約半年間の研究の方向性や協力について議論を行う予定である。年度末には5年間の成果を取りまとめ、領域全体で一般向けの講演会を開催するなどアウトリーチ活動も実施する。
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[Journal Article] A comprehensive, simultaneous ocean and atmosphere observation north of the Kuroshio Extension in autumn 20092014
Author(s)
Naoto Iwasaka, Fumiaki Kobashi, Kazuyuki Uehara, Eitarou Oka, Masanori Konda, Toshiyuki Murayama, Youichi Tanimoto, Kunio Kutsuwada, Masahisa Kubota, and Keita Suzuki
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Journal Title
Umi to Sora
Volume: 89
Pages: 99-114
Peer Reviewed
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[Presentation] AFES-LETKF Experimental Ensemble Reanalysis 22013
Author(s)
Takeshi Enomoto, Akira Yamazaki, Takemasa Miyoshi, Akira Kuwano-Yohshida, Nobumasa Komori, Jun Inoue, Masatake E. Hori, Qoosaku Moteki, Miki Hattori, and Syozo Yamane
Organizer
Sixth WMO Symposium on Data Assimilation
Place of Presentation
University of Maryland (アメリカ)
Year and Date
20131007-20131011
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