2013 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミネラルの無機組織構造に学ぶ融合マテリアルの構築
Project Area | Fusion Materials: Creative Development of Materials and Exploration of Their Function through Molecular Control |
Project/Area Number |
22107007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大槻 主税 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00243048)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | ハイブリッド材料 / 融合マテリアル / セラミックス / 機能性高分子 / 生体材料 / ヒドロキシアパタイト / バイオミネラル / 擬似体液 |
Research Abstract |
骨や歯といったバイオミネラルは、しなやかで高強度な構造を持ちながら、周囲の環境に応答して、分解と再構築が繰り返される機能を持つ環境応答材料である。本研究は、バイオミネラルが作る巧みな無機/有機融合構造を規範にして、有機高分子のテンプレートに水酸アパタイト(ヒドロキシアパタイト; HAp)や炭酸カルシウム、チタニア、酸化鉄などの無機結晶を階層的に複合化したハイブリッド材料の構築プロセスの確立を目指している。 本年度においては、無機結晶や有機高分子の種類を拡張しながら、有機高分子としてポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸を用いて、無機結晶の析出に、高分子の濃度や官能基の導入が与える影響を調べた。その結果、高分子の濃度に依存して、繊維状のリン酸カルシウムの形態を制御できることや、カルボキシ基の導入により生成するリン酸カルシウムの結晶相を制御できることを明らかにした。さらに、酸化鉄を高分子マトリックス中に分散させることで、酸化鉄とリン酸カルシウムの複合体を水和ゲル中で合成できることも見出した。一方、骨格となる無機固体(セラミックス)として、結晶形態の揃ったリン酸カルシウムを合成するとともに、それらの表面の擬似体液中における挙動も調べ、結晶面による石灰化現象の違いを明らかにした。さらに、酸化ケイ素やケイ酸カルシウムの球状粒子を合成し、それらの擬似体液中における挙動を調べ、医用複合材料としての可能性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基板材料となる無機結晶の合成では、形態を制御するための条件を明らかにしている。さらに、高分子テンプレートを用いて無機結晶の生成する位置や形態とともに、結晶相を制御するための条件も解明している。リン酸カルシウム結晶の形態制御に関する基礎的な条件の解明に基づいて、酸化鉄の利用も可能になってきた。引き続き次年度に知見を収集し、各々の材料を高次に複合化する構造構築プロセスを開発する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
複合構造の構築については、その反応場をモデル化する手法を用いることで、順調に基礎的な知見を収集できている。この解析手法で得られた材料合成プロセスに関する知見を利用して、高次な複合化への展開を図る。より複雑な形態を温和な条件で構築する技術を、領域内での共同研究により積極的に進め、高次な複合材料を開発するうえでの課題の解決を図る。
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Research Products
(28 results)