2014 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミネラルの無機組織構造に学ぶ融合マテリアルの構築
Project Area | Fusion Materials: Creative Development of Materials and Exploration of Their Function through Molecular Control |
Project/Area Number |
22107007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大槻 主税 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00243048)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ハイブリッド材料 / 融合マテリアル / セラミックス / 機能性高分子 / 生体材料 / ヒドロキシアパタイト / バイオミネラル / 擬似体液 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨や歯といったバイオミネラルは、しなやかで高強度な構造を持ちながら、周囲の環境に応答して、分解と再構築が繰り返される機能を持つ環境応答材料である。本研究は、バイオミネラルが作る巧みな無機/有機融合構造を規範にして、有機高分子のテンプレートに水酸アパタイト(ヒドロキシアパタイト; HAp)などのリン酸カルシウム化合物、チタニア、酸化鉄といった無機結晶を階層的に複合化したハイブリッド材料の構築プロセスの確立を目指している。 本年度においては、無機固体の種類をチタニア、酸化鉄、リン酸ストロンチウムなどに拡張した。チタニアについては、微量元素の添加が体液類似環境下でのリン酸カルシウム生成に与える影響も調べた。また、水和ゲルマトリックスにポリペプチドや多糖を導入した反応系において形成される複合構造とその形成過程を調べた。さらにこれらの知見を応用し、多糖を用いて温度応答により凝結するリン酸カルシウム系複合材料を得るための条件を調べた。 その結果、チタニアにアルミニウムやケイ素を添加した場合には体液模倣環境でのリン酸カルシウムとの複合化は起こり難いに対して、銅や鉄の添加であればリン酸カルシウムの複合化が可能であることが分かった。一方、水和ゲル中にカルボキシ基を含有する多糖を導入するとその領域ではリン酸カルシウムの析出が起こらず、選択的な無機固体の生成が可能になることを見出した。さらに温度変化に応答してゲル化するメチルセルロースを基材に用いて、リン酸カルシウム粉末とともにクエン酸三ナトリウムを添加すると36℃付近への加温で粘度が上昇し流動性しなくなることを見出し、多糖とリン酸カルシウムの相互作用を利用した温度応答型骨充填材の創製を可能とした。研究期間内に得られた知見から、有機分子共存下における無機結晶の析出制御によって特徴的な微構造を持つ複合材料を創製するための指針が得られた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(24 results)