2011 Fiscal Year Annual Research Report
有機ゲルおよび高分子を用いる融合マテリアルの動的機能の開拓
Project Area | Fusion Materials: Creative Development of Materials and Exploration of Their Function through Molecular Control |
Project/Area Number |
22107012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹岡 敬和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20303084)
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Keywords | ハイブリッド材料 / 機能性高分子 / 融合マテリアル / ナノ材料 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究では、環境に応じて様々な大きさや形状の網目構造を形成できる環境応答性有機高分子ゲルをテンプレートとして、無機物質からなる三次元階層構造の形成を制御することで、"環境に調和して分子配列構造の組み替えや自己補強をし、自然界ではなし得なかったような超越的機能を示す有機-無機動的融合機能材料"の創成に取り組む。例えば、有機ゲルの動的機能と無機微粒子の光学機能を融合させることで、環境応答性と光学的高物性能を併せ持った材料の構築を目差している。平成23年度の研究においては、その基盤的技術を確立するために、1)環境変化に応じて動的に応答する刺激応答性高分子ゲル微粒子の調製とその集合体の構造発色性の解明、および、2)無機微粒子の集合構造と光学物性の相関を調べる上で、1)のようなゲル微粒子ではなく、電子顕微鏡にてその構造を調べることが可能なシリカ微粒子を利用した系、に取り組んだ。1)では、なぜ、ゲル微粒子の濃厚懸濁液が角度依存性のないフォトニックバンドギャップ(PBG)を示すのかを、角膜の透明性と関連づけて説明することを試みた。その結果、光の散乱体が離れて、独立した散乱体として振る舞う場合には白濁するが、距離が近くなり、短距離秩序が存在するような状態になると、散乱体によって散乱された可視光が干渉し、透明化することがわかった。さらに、特定の波長の光に対しては強く反射する結果、色付くことも理解できた。また、2)では、視認性の高い構造発色材料の調製が実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ゲル微粒子の濃厚懸濁液が角度依存性のないフォトニックバンドギャップ(PBG)を示すのか解明できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
高い屈折率を有する無機物質の散乱体の導入を行う。 そのために、粒径の揃った酸化チタン粒子の合成を検討する。
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