2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機ゲルおよび高分子を用いる融合マテリアルの動的機能の開拓
Project Area | Fusion Materials: Creative Development of Materials and Exploration of Their Function through Molecular Control |
Project/Area Number |
22107012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹岡 敬和 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20303084)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 融合マテリアル / 構造色 / コロイドアモルファス集合体 / 白と黒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、有機ゲルの環境応答性および動的機能と無機微粒子の光学機能および力学的性質を融合させることで、新しい光学的物性もしくは力学的物性を有する新材料の構築を目差している。具体的には、光の閉じ込め効果が外的刺激に応じて変化させることのできる材料や、ダイラタンシー性を示すソフトマテリアルの構築を行う。本年度は、無機微粒子集合体ついての進展があったので、以下に説明する。 これまでに、無機微粒子集合系においては、粒径の揃った白色無機微粒子の形成するアモルファス集合体が、粒子の粒径に応じた特定の波長領域の光を選択的に反射し、その位置は光を照射する方向や観測方向にほとんど依存しないことを見いだした。また、その集合体に微量の黒色微粒子を融合すると鮮やかな発色を示すことも見いだした。本年度は、さらに、無機微粒子集合体に対して黒色物質をどこに配置することが発色を鮮やかにする上で重要かについて明らかにしつつある。これらの知見から、光などの刺激に応じて黒色物質の量が制御できるシステムと無機微粒子集合体を融合することで、刺激応答性発色剤の調製に成功した。具体的には、異なる波長の光照射に応じて銀微粒子の生成-消失が可逆を行うことで、微粒子のアモルファス集合体からの構造発色の彩度を制御することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無機微粒子集合体に対して黒色物質をどこに配置することが発色を鮮やかにする上で重要かについて明らかにできたので。また、光などの刺激に応じて黒色物質の量が制御できるシステムと無機微粒子集合体を融合することで、刺激応答性発色剤の調製に成功したから。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、微粒子集合体系と融合させるための有機ゲル系の構築を最初に行い、その力学物性、刺激応答性を調べる。具体的には、環状の分子が直鎖状の分子上を自由に移動することができるポリロタキサンを架橋剤に用いることと、微量のイオン基を高分子網目に導入することで、様々な刺激応答性のゲルを調製し、環境応答性および高伸張性、高靱性を示すゲルを調製することに取り組む。また、ポリロタキサン架橋剤をラジカル重合で得られるあらゆるゲルに利用して高伸張性および高靱性を示すゲルにするための条件を調べる。その後、両系を組み合わせることで、動的な機能の発現について調べる。
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