2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗ガン剤生合成マシナリーの再構築および多様性創出機構の解明
Project Area | Biosynthetic machinery: Deciphering and regulating the system for bioactive metabolite diversification |
Project/Area Number |
22108002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
及川 英秋 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00185175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 篤志 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40507191)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生合成 / 天然物 / 物質生産 / ゲノム情報 / 糸状菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドールジテルペンaflatrem の全生合成には、7個の遺伝子が必要と予想された。遺伝子導入を短縮し、かつ限られたベクター数を効率良く使用するため、一つに2個ずつ遺伝子を組み込んだ同種のベクター2個を用いて、一度の形質転換で合計4個の遺伝子を導入する手法を開発した。最初の4個の導入でpaspalineの生産に成功した。さらに修飾酵素3個を導入することで、一挙に全生合成することに成功した。 本手法を適用し、さらに複雑な天然物であるpenitremを全生合成することにした。当初のゲノム解析結果から17個が必要であることがわかった。上記paspaline生産株に、修飾酵素遺伝子2個を導入したところ、paxillineが生産された。次に野生株に遺伝子4種の導入を種々試したところ、paxillineの投与により、還元;プレニル化;脱水が進行した化合物が単離された。残る7種の酸化酵素とプレニル化酵素を色々な組み合わせで試して、最終的に生合成経路を確定すると同時にpenitrem Aの生合成を達成した。これまでに報告された糸状菌天然物に関与する最大の生合成酵素遺伝子数は、aflatoxinの17個であり、それと同数が必要なpenitremを全生合成に生合成に成功したことより、理論上あらゆる糸状菌由来の代謝産物が、麹菌異種発現法で合成できることになる。 さらに本法の有用性を実証するため、ポリケタイド系植物毒素であるbetaenoneの合成を行った。ゲノム解析データから推定した遺伝子クラスターに存在するポリケタイド合成酵素(PKS)、エノイル還元酵素、P450水酸化酵素の各遺伝子を導入したところ、鎖状中間体が環化し、さらに一挙に3段階の酸化が進行したbetaenone Bの全合成に成功した。以上のように、麹菌異種発現法は、生合成経路の解明および物質生産に有用であることを実証した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)