Planned Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、特徴ある化学構造と有用な生理活性を持つ微生物が産生する二次代謝産物に焦点を絞り、それらの生合成系を遺伝子・酵素レベルで精密に解析することを目的とし、放線菌の生産するポリケチド抗生物質FD-891およびFD-594について生合成遺伝子クラスターの取得およびその機能解析を行った。まず、FD-891について、生産菌よりポリケチド合成酵素遺伝子を連続して含む70kbpに及ぶ遺伝子クラスターをクローニングした。クラスター中のシトクロムP450酸化酵素の遺伝子破壊株はFD-891非生産性であったことから、取得した遺伝子がFD-891生合成に関わることを確認できた。また破壊株培養液から、FD-891のエポキシ基、水酸基を欠いた生合成中間体を単離・構造決定することができ、さらに本遺伝子を大腸菌にて異種発現させたところ、得られた中間体をFD-891へと変換する活性を示した。さらにメチル基転移酵素遺伝子の破壊株を構築して培養し、培養液中の生成物を精査したところ、25-O-デメチル等FD-891が蓄積していることが分かった。よって、このメチル基転移酵素がFD-891の25位O-メチル化を触媒することが明らかとなった。FD-594に関しては、まず生合成遺伝子クラスターをクローニングした。得られた遺伝子クラスター中には二つの糖転移酵素PnxGT1、PnxGT2がコードされていた。糖転移酵素とメチル基転移酵素を大腸菌にて発現させ、酵素反応を検討した。その結果、糖転移酵素がアグリコンに3つのオリボースを順次結合させた後に、メチル基転移酵素がメチル化反応を触媒してFD-594が生合成されることが明らかとなった。
All 2011 2010
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (2 results)
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Volume: F67 Pages: 101-103
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